新聞に「律儀疲れ」のエピソードが書かれていました。
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ミサエさんの娘夫婦は、他県に住んでいます。
娘夫婦は、ミサエさんの誕生日には必ず、携帯へメールでおめでとうと送ってくれます。
娘はメールだけなのに、婿はきちんとプレゼントまで贈ってくれます。
婿は、自分の両親にもそうしているそうです。
ミサエさんは嬉しいのですが、今度は婿の誕生日を忘れたら失礼になると考えてしまいます。
カレンダーに印を付けておきます。
おめでとうメールの他、なにかプレゼントしなくてはいけない。
夫婦で大いに悩みます。
律儀な人には律儀で応じなければいけない。
3年間そうし続けました。
4年目、ミサエさんは自分の誕生日を前に、思いきって婿へメールしました。
「誕生日を覚えていてくれるだけでうれしいです。プレゼントは今年から互いに無しにしましょう」
すぐに了解ですと、返信がきました。
婿も律儀疲れだったのかな?
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【アドラー心理学】
「若者の○○離れ」と同じように、「○○疲れ」という言葉も使われます。
一番多いのは、「SNS疲れ」でしょうか。
ネット以外でも、いろいろと人間関係にまつわる疲れというものはあるものです。
どれぐらいの「範囲」や「深さ」の人間関係だと、自然に笑顔ができる余裕になるのでしょうかね。
実は「範囲」でも「深さ」でもないのかも。
それじゃあ何かというと、「対等な横の関係」ではないでしょうかね。
この「対等な横の関係」というのは、アドラー心理学の考えです。
ベストセラーになった『嫌われる勇気』の内容です。
あらゆる対人関係は、「対等な横の関係」が望ましい。
それは、親子関係でもです。
社会的な身分や立場とは関係なしに、同じ目線で対等に話す。
知識・経験の差はあっても、人間としてはお互いは対等です。
対等な関係の人に、褒めるのも叱るのも失礼な話しです。
褒めるも叱るも、上から下に向かって下す評価だからです。
それじゃあ、褒めも叱りもしなければ、なにを伝えるの?
それは、「ありがとう」です。
アドラー心理学でいえば、
「ありがとう」→「言われて貢献感が持てる」→「自分に価値があると思える」→「勇気を持てる」
なのです。
「ありがとう」は、「対等な横の関係」のキーワードです。
冒頭の「律儀疲れ」のエピソード。
プレゼントの交換をやめようと提案し、相手から了解を得たわけですが、きっとその時点で「対等」になったのではないでしょうかね。
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