2016年10月07日

2020年の東京オリンピックは、1964年の東京オリンピックに対して、「笑顔」では勝てない

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2020年に東京オリンピックが開催されます。
以前、東京で開催されたのが、1964年です。


きっと、いろんな面で、今回のほうがスケールアップしているでしょうね。
その分、お金もスケールアップしていますが。


けれど今の日本人は、あの頃の日本人に、「笑顔」で絶対に負けているでしょうね。
これは、誰もが思うところではないでしょうか。


ルールが完備されすぎて、自発的な行動・考えが無くなってしまった時代。
笑顔のような、自発的な感情の湧き上がりをできるわけがありません。



内閣府が、20代の若者に意識調査しました。
その中で、こんな質問があります。


【質問】
「自分の将来について、明るい希望を持っているか?」


【回答】

希望を持っている人の率:

・男性:
・・・正社員 55.3%
・・・非正規 30.3%


・女性:
・・・正社員 60.2%
・・・非正規 57.3%


アメリカを含む諸外国では、正社員の男女ともに、80%〜90%が希望があると答えています。
非正規でも、70%〜85%は希望があると答えています。
なぜか、日本だけが低いのです。


20代だけではなく、バブル時代を大人になってから経験していない40代以下は、基本的に同じ考えではないでしょうか。
いわゆる、「若者の○○離れ」的な考えかたです。



「イースタリンのパラドックス」とは、経済成長をしても、幸福度は変わらないという事を説明したものです(1974年、イースタリンの論文より)。


これは、日本が戦後、比類なき経済成長を遂げたけれど、日本人の感じる幸福度は、さほど変わっていないというデータ等から導かれたものです。


ただし最近のデータによりますと、所得水準の高い国では幸福度が一定水準以上にあり、不幸とまで感じない人が多いとわかりました。
一方、所得水準の低い国では、幸福度に大きなばらつきがあります。


●Easterlin paradox - Wikipedia, the free encyclopedia
http://en.wikipedia.org/wiki/Easterlin_paradox



「フォーカシング・イリュージョン」とは、情報の一部に注目し、そればかり過大評価し、他を軽んじてしまうことです。


例えば、

「学歴がないと明るい希望を持てない」
「結婚しないと明るい希望を持てない」
「正規雇用に就けば明るい希望が持てる」


などのように、特定のポイントが満たされないと幸せになれないと信じこんでしまうことです。



ヨーロッパは今も階級社会。
裕福な人は、あくせく稼ぐ必要もないから、ゆったりと暮らせます。
労働者階級の人は、多少頑張っても上へはいけません。
それなら毎日、そこそこ楽しんだほうがいいと考えます。


ヨーロッパの暮らしは、現状を楽しみ、「あくせくしない」ところに魅力があります。


ニュースでは財政破綻だの、デモだの報じていますよね。
農村の疲労は進んでいるし、失業率がとても高い。
仕事はない、お金はない。
未来に希望があるわけではない。


ただ、それはそれとして、「毎日楽しく暮らせればいいじゃないか」という意識が、多くの人に共通しています。


上を見てうらやんだり、近づこうとして焦ったりしない。
分をわきまえた生活をよしとしているのです。


※※※


希望を感じられない若い時代を過ごしてきたら、おじいちゃん・おばあちゃんになったとしても、きっと良い笑顔はできないでしょう。


もう、「怒り」とか「無関心」はいいかんげん、やめましょう。
「笑顔」をキーワードに、生き方を模索するほうが健全ですもの。

Posted by kanzaki at 2016年10月07日 23:38