天台宗の僧である「南光坊天海(なんこうぼうてんかい)」。
江戸幕府の徳川家康、秀忠、家光の三代将軍に仕えた政僧です。
戦国時代から江戸初期まで長生きした人物。
諸説ありますが、1643年(寛永20年)に死去した時、108歳でした。
三代将軍の家光が、天海に長生きの秘訣をたずねました。
「長生きは、粗食(そしょく)、正直、日湯(ひゆ)、だらり、ときおり、ご下風(かふう)あそばさるべし」
・粗食:
味の濃いぜいたくな美食はほどほどに、ふだんは粗末に見えるくらいのシンプルなあじつけ、献立。
・正直:
うそをつかないこと。
・日湯:
毎日の入浴にて、体の血行をよくして、リラックスすること。
・だらり:
心身の緊張をほぐして、ゆっくり呼吸すること。
・下風:
オナラのこと。がまんせず、時には思い切り放屁するのも養生にはたいせつ。
胃に軽い食事と、ストレスをためない生活が大事だと語っているのです。
われわれ現代人の間での共通認識と同じなのですね。
大昔から今にいたるまで同じなのですから、真理といえましょう。
※※※
食事は自分の意志でなんとでもなりそうですが、問題はストレスですよね。
ストレスを回避したり、解消する方法というのは、本当に難しいです。
私が思うにストレス対策は、「やることを減らす」というのが一番なのではないかと思い始めています。
たとえ小さなことでも、たくさんの事をこなさなければいけないと、それはストレスになります。
仕事以外の趣味やスポーツ、多方面への交流もそうです。
やることを減らし、そのぶん集中して取り組むほうが良いのではないでしょうかね。
時間をかけられる分、成功する確率も高くなりますし、評価もあがりやすいです。
仕事でも趣味でも、多方面に多くを手がける人に共通するのが、そのやっていることや実績を声高らかにアナウンスすることです。
交流が多い人もそうですね。
承認欲求が強いのでしょうか。
SNSの黎明期は、そういう人がもてはやされました。
今では逆に、「意識高い系」「キョロ充」と揶揄されるようになりましたが。
反対に、ひとつの事にじっくり取り組む人に限って、あまり多くを語りません。
アピールすることを避けます。
おそらく、どっぷりその世界に浸っているから、他人にアピールせずとも、心が満ち足りているのではないでしょうか。
人生も後半になって、「死」というものを感じはじめました。
そう感じるようになってから、私自身、あまり多くのことをやらなくなりました。
本当はその分、ひとつのことに集中して取り組めば大したものなのですが、空いた時間をのんびりすることに使っています。
生活に緊張感を持たないようにしはじめたのだと思います。
最近、そういう気構えになったら、不思議と相手の良い面を多く気づくようになってきました。
もちろん嫌な人間もいるのですが、別に怒りを感じないし、どうでもいい。
敵対するパワーを使いません。
そんな人間のために、自分の大切な時間や心を犠牲にする必要はないですから。
人生のターニングポイントに来ると、やはり生き方にも変化があるものですね。
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