2018年05月07日

【日本画教室】もう一枚、背景を別の表現で作成

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(左が前回制作したもの、右が今回制作したもの。
ほとんど同じ岩絵の具・材料を使用しているのに、塗り方一つで全く違う感じになりました。
尚、なにを描くかは全く決まっていない模様)


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(拡大したもの。表面は、紙やすりのようにザラザラしています。
前回作成した方の表面は、サラサラしています)


前回、背景を塗ったのですが、もう一枚制作します。


画材は同じく、サムホール(SMサイズ。22.7センチ×15.8センチ)という大きさ。
一般に用いられる画面として最小のもの。
なぜか日本では人気があるサイズでして、対応する額も豊富です。


サイズが小さいから、気軽に挑戦できます。
私は、既に和紙が貼り付けられている状態のものを大阪の業者から取り寄せました。
自作するのも手ですが、時間がもったいないので。


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(日本画の新素材「面胡粉(白い粉)」と「アクアグルー(ニカワ液の代わり)」を使用。
東京の『ウエマツ画材店』で売っています)


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(面胡粉とアクアグルーを混ぜます。
歌舞伎役者の顔に塗る「おしろい」と同じようになります。
感触は、木工ボンドみたいな感じです)


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(平筆で塗ります。2、3回も塗れば、真っ白になります)


以降、前回と同じように、ニカワ液と混ぜ合わせた「岩絵の具」を海綿を使って彩色します。


前回と違い、1回ごとに塗る量はほんの少し。
しかも、ものすごく薄くしています。
1回塗っても、後ろがスケスケです。
それを緑系、青系をそれぞれ4色ぐらい使って重ね塗りします。
何回塗り重ねたか分からないぐらいなのですが、それでも一番うしろの面胡粉の白い部分が見えます。


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(1色1回で塗る量・密度はこんな感じ。
本当に薄くスケスケ、ビショビショです。
これをドライヤーで乾かし、何度も色んな色を塗り重ねていくのです)


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最終的に、冒頭のようになります。
ここまで2時間で行っています。
面胡粉とアクアグルーは、過去の日本画の材料と異なり、高速で着色できるのがメリットです。
しかし、日本画家のみなさんは、歴史を重んじるようで、使っている人はほとんどいません。
私は趣味でやっているだけ。
新素材を試してみたら、短時間で仕上がるし、値段も安いし、火も使わないのでありがたいです。



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Posted by kanzaki at 2018年05月07日 22:44