●「話す」ことで問題とほどよい距離が生まれる:
「話す」ことは「離す」ことです。
日本語には数多くの同音異義語がありますが、それらは密接につながっているように思います。
心の中にため込んだ苦悩や怒りを言葉にして誰かに話すことは、心の治療のように効果があります。
ただそれだけで苦しみから開放されていくようです。
まさに、話すことは問題を自分から「離して」距離を置くことであり、「手放す」ことです。
一歩、距離を置くことができたなら、その問題に対する心の持ち方が変わってきます。
心の持ち方が変われば、問題との向き合い方も変わり、現実も変わっていくのです。
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上記は、湯川久子さんの「ほどよく距離を置きなさい」の一節です。
90歳を超え、なお現役の弁護士です。
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ここでいう「問題」の根幹は、執着や依存のような一種の「思い込み」でしょうかね。
それが離婚問題とか家族間の問題だったとしても。
視野が狭くなると、その視野の中で堂々巡りをすることになって、自分の心を追い込んでしまいます。
相手に自分の気持ちを伝えることで、心が開放されます。
鳥が空を飛んで景色を見るがごとく、視野が広くなると、解決の道へも近づきます。
手放すというのは、人間、なかなか難しいものです。
しかしやってみると、心が軽くなります。
人が前へ進んでいくには大切なことですよね。
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手放して「自由」になることは素晴らしいです。
しかし、あまり誰も指摘しないので気をつけてほしいこともあります。
「自由とは、耐え難い孤独と痛烈な責任を伴うもの」だということを。
これは、ドイツの心理学者・エーリッヒ・フロムの言葉です。
自由の代償として、刺すような孤独と責任の重さに多くの人は疲れ果て、全体主義に傾斜することを選んだりすることは、人類の歴史ではよくあることです。
そのためにも、自分自身でものを考えたり、話したりすることが大切。
「自分自身であること」について勇気と強さを持ち、自我を徹底的に肯定しなさいとフロムは語っています。
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なかなか自分の心と向き合う時間なんて作れないものです(たとえ、暇であっても)。
その為の訓練として私は、紙に考えを書いてみるのが良いのではないかと思うのです。
書くことで自分の考えを肯定化しやすいですから。
あっ、ノートや日記帳はやめた方がいいです。
気負いすぎると絶対、三日坊主になりますから。
最初だけ書いて挫折し、あとは空白のページだけというのは、ものすごく萎えるものです。
だから、1枚の紙にするのがいい。
最初から、A4の大きさに書こうとすると、これまた書くことが無くて挫折します。
A6(A4の4分の一)以下が気楽です。
その小さな紙に書くだけ書いて、そして「捨ててください」。
冒頭に書いた精神的な「手放す」は、案外難しいものです。
だから、物理的にゴミ箱へ捨てることで、手放すを実感できます。
他人に自分の考えを聞かせるのは、ある意味、愚痴を聞いてもらうことになってしまうので、両者共に困ってしまう。
だから、こうやって紙に書いて、自分と対話するのも一つの手ですよ。
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