2019年04月24日

部下が自分で考えて仕事をしてくれる「仕事の教え方」とは?〜「これだけ! OJT(著者:中尾ゆうすけ)」

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●「OJT」とは、「On the Job Training」の略。実務を通じた訓練であり、能力開発の方法のことです。


部下・後輩の指導でお困りの方へ、注意すべき点をいくつか書籍の中からご紹介します。
私が実際、この4月から業務指導をするうえで、気を付けていることばかりです。



●「原理・原則指示」が自立した人材を育てます。


1から10まで面倒を見る必要はありません。
「原理・原則」を伝えることが先決。
「その仕事はなぜあるのか?」「どうして必要なのか?」「それを行うことで何になるのか?」


例えば、伝票処理という仕事があったとき、表面的な指導で伝票の書き方を教えれば、とりあえず伝票を書くことはできます。
しかし、原理・原則を知らなければ、次に似たような仕事があったとき、前と同じでいいのか、また別のやり方があるのか、どこに注目しなければならないかなど、自分では判断がつかないことがたくさん出てきてしまいます。


原理・原則を教えるということは、「なぜその伝票が必要なのか?」「そこに記載する品名や型番はなぜ必要なのか?」「その情報は何に使われるのか?」「伝票を書いた後工程に誰がいて、どのように使うのか?」「記載する情報はどこから集めてくるのか?」・・・といった、根本的なことをきちんと伝えておくことです。


これによって、その仕事の勘所がわかり、自分がやるべきことが大幅に推測しやすくなるのです。



●「応用できるように」教えないと意味がない。


原理・原則を教えることは、つまり、OJTリーダーが細かく指導しなくても「後輩が自分で応用できるように教える」ということです。


すると、「この仕事の後には、必ずこういう伝票が必要なはずだ」「この伝票〇〇のために必要だから、〇〇と、〇〇の記載が必要だな。備考欄には分かりやすいように〇〇と書いておこう」というようなことが、教えなくてもできるようになるのです。


これを一般的には「自立」と言い、後輩が自ら考え、行動する状態です。


何から何まで教えると、後輩が自分で考える機会を奪い、単なる指示待ち人間にしかなりません。


仕事のやり方を教えるときは、原理・原則を必ず一緒に伝えるようにすると、後輩が自ら応用していきます。



●口頭指示のみではなく、マニュアルを用意する。


マニュアルの特徴:
「教える時間の節約」と「誰が教えても仕事の品質を一定に保てる」ということ。


マニュアルの作り方:
・OJTを進めながら、少しずつ作っていく。
 (使いながら進化させていけばいいので、最初から丁寧に作りこむ必要はない)

・OJTを進めながら、後輩に作らせる。
 (人に教えるというスタンスで書くため、仕事の内容をしっかり整理でき、習熟度が格段に上がる)


マニュアルは毎年進化していくと、業務も改善され、一石二鳥です。



●いつまでも「お手伝い」をさせておくことのリスク。


部下や後輩は、OJTリーダーのアシスタントや小間使いではありません。


「作業だけを任せる」のは間違い。
遠からず自立した社員として活躍してもらわなければならない存在です。


OJTリーダーはそのような心構えのもと、業務指示を行うことが必要です。
後輩自身も「言われたことだけをやる」という姿勢から脱却してもらう必要があります。
本人にも仕事の経緯をきちんと理解させましょう。



●「面倒見がいい」のもほどほどに。


OJTリーダーは、自分が責任を取らないで済むように、つい後輩に失敗させない優しい指導ばかり行うことがあるものです。
しかし、それは部下や後輩から「失敗」という貴重な経験を奪い、そこから挽回するという経験を奪うものです。


部下や後輩から「仕事の充実感」というモチベーションの源泉を奪ってしまい、その結果、離職していく人が後を絶ちません。


部下や後輩は、結果さえ出せれば満足するわけではありません。
たとえ失敗しても、「自分でやった経験」を欲しているのです。

Posted by kanzaki at 2019年04月24日 22:24