絵を描いたり、お絵描き教室をやったり、写真撮影や文章を書く。
そういったことを肯定してくれる本がありましたのでご紹介します。
●世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか_ 経営における「アート」と「サイエンス」 (光文社新書) _ 山口 周 _本 _ 通販 _ Amazon
https://www.amazon.co.jp/dp/4334039960/
【エリートを犯罪から守るための「美意識」】
なぜエリートエリートは美意識を鍛えるのか?
「それは犯罪を犯さないためだ」
エリートが身を持ち崩す大きな要因の一つが、「犯罪」なのだということを忘れてはいけない。
日本企業でコンプライアンス違反を主導した経営陣の多くは、有名大学を卒業し、大企業に就職した典型的なエリートだ。
なぜエリートはしばしば犯罪に手を染めるのか?
そこで浮上するのが「達成動機」。
達成動機とは、設定したゴールを達成したいとういう動機。
高い業績を上げた人物が、強い達成動機を持っているというのは、わかりやすい話し。
そして「高すぎる達成動機」を持つ人は、「達成できない」という自分を許すことができないために、粉飾決算などのコンプライアンス違反を犯すリスクが高い。
「ここが限界だ」と認めることができない人、つまり「強い達成動機を持つ人」は、なんとかして目標を達成しようとして、法的・倫理的にギリギリなラインまで近接してしまう。
この粘りが、エリートの立場に押し上げる原動力になったわけだが、その原動力が、やがて身の破滅を招く要因になってしまう。
この点にこそ、「エリートにこそ美意識が必要である」と考える理由がある。
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構造変化が激しく起きる社会において、「みんながやっていたこと」なのだが、いつのまにか、倫理的に許されないような領域に踏み込んでしまう可能性が高い。
ルールに照らしてみれば適法・・・というか、そもそも参照すべきルールがはっきりしない状況で、その一歩先まで踏み込むかどうか。
ここで判断の拠り所になるのは、法学の言葉で言えば実定主義に対置される自然主義であり、わかりやすく言えば道徳や世界観といった個人の内面的な規範、つまり「美意識」ということになる。
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大きな権力を持ち、他者の人生を左右する影響力を持つのがエリート。
そういう立場にある人物であるからこそ、「美意識に基づいた自己規範」を身につける必要がある。
なぜなら、そのような影響力のある人物こそ、「法律的にはギリギリOK」という一線とは別の、より普遍的なルールでもって自らの能力を制御しなければならないのだ。
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論理的にシロクロのはっきりつかない問題について答えを出さなければならないとき、最終的に頼れるのは個人の『美意識』しかない。
だからこそ、グローバル企業の幹部候補生は「アート」や「哲学」を学んでいる。
オックスフォードをはじめ、欧州のエリート養成校では、特に「哲学」に代表される「美意識の育成」が重んじられてきた。
エリートには大きな権力を与えられる。
もし、哲学を学ばずにエリートを育成するとなると、それは「危険である」というのが欧州の考え。
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絵を描くことはリーダーに求められる様々な認識能力を高めることが分かっている。
実際に自ら芸術的な趣味を実践している人ほど、知的パフォーマンスが高いという統計結果がある。
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今日、多くの企業経営者は、一般的な経営コンサルタントではなく、デザイナーやクリエイターを相談相手に起用している。
それは、「デザイン」と「経営」には、本質的な共通点があるから。
一言で言えば「エッセンスをすくいとって、後は切り捨てる」ということ。
そのエッセンスを視覚的に表現すればデザインになり、そのエッセンスを文章で表現すればコピーになり、そのエッセンスを経営の文脈で表現すればビジョンや戦略ということになる。
出来上がる成果物は異なるが、知的生産の過程で用いる思考の仕方はとても似ている。
経営という営みの本質が「選択と捨像」であることを、しっかり理解することは必要。
大事なのは「選択と捨像」、つまり「選択」したら、後は「捨てる」ということ。
「優れた意思決定」の本質というのは、「選択すること」にあるのではなく「捨てること」、すなわち「一見すればどれも優れているように見えるたくさんの案を、まとめて思い切って捨てる」ことにこそある。
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【次回の記事】世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?(著者・山口 周)〜絵画を見る・哲学に親しむ・文学を読む・詩を読む
http://kanzaki.sub.jp/archives/004365.html
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