【前回の記事】世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?(著者・山口 周)〜それは、エリートが犯罪を犯さないためだ
http://kanzaki.sub.jp/archives/004364.html
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【世界のエリートはどうやって美意識を鍛えているのか?】
・ノーベル賞受賞者は、一般人と比較した場合、2.8倍も芸術的趣味を保有している確率が高い。
芸術的な要素としての「美意識」を鍛えられている人は、科学的な領域でも高いパフォーマンスを上げている。
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●絵画を見る:
アートを見ることによって観察力が向上する(2001年、エール大学の研究結果)。
仕事で重要なのは「観察眼」。
「ちょっとしたヒントから洞察を得る」というのは人間だけ。
人工知能はあらかじめ入力する情報の枠組みをつくってあげないと情報処理できない。
しかし、現実に起こりうることを全てあらかじめ記述することは難しい。
いわゆる、「フレーム問題」が発生する。
(人工知能における未解決問題の一つ。
有限の情報処理しかないロボットには、現実に起こりうる問題すべてに対処することができないこと)
多くのグローバル企業やアートスクールにおいて、「見る力」を鍛えるため、さかんに実施されているのが「VTS(Visual Thinking Strategy)」。
ビジュアルアートを用いたワークショップによる鑑賞力教育のこと。
徹底的に作品を「見て、感じて、言葉にする」ことを行う。
「見る力」を鍛えると、パターン認識から自由になれる。
ビジネスパーソンこそステレオタイプな「モノの見方」に支配されていることのデメリットが大きい。
ステレオタイプな「モノの見方」から離れて、意識的に虚心坦懐に「見る」というスキルを持つために、VTSは有効。
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●哲学に親しむ:
エリート養成を担う欧州名門校の多くにおいて、理系・文系を問わず哲学が必修になっている。
海外のエリート養成では、まず「哲学」が土台にあり、その上で功利的なテクニックを身につけさせるという側面が強い。
日本では、土台となる部分の「哲学教育」がすっぽり抜け落ちていて、ひたすらにMBAで習うような功利的テクニックを学ばせている。
現代を生きるビジネスパーソンにとって、「哲学から得られる学び」には、大きく3種類ある。
1.コンテンツからの学び
(その哲学者が主張した内容そのもの)2.プロセスからの学び
(そのコンテンツを生み出すに至った気づきと思考の過程)3.モードからの学び
(その哲学者自身の世界や社会への向き合い方や姿勢)
現代社会を生きるエリートが哲学を学ぶことの意味合いのほとんどは、実は過去の哲学者たちのコンテンツではなく、むしろプロセスやモードにある。
重要なのは、その哲学者が生きた時代において支配的だった考え方について、その哲学者がどのように疑いの目を差し向け、考えたかというプロセスや態度である。
哲学の歴史は、「疑いの歴史」。
哲学を学ぶことで、「無批判にシステムを受け入れる」という「悪」に、人生を絡めとられることを防ぐことができる。
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●文学を読む:
「偏差値は高いけれど美意識は低い」という人に共通しているのが、「文学を読んでいない」という点。
宗教や哲学同様、文学というのは、同じ問いを物語の体裁をとって考察してきたもの。
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●詩を読む:
リーダーシップと「詩」には非常に強力な結節点がある。
それは、両者ともに「レトリック(修辞)が命である」という点。
レトリックとは、文章やスピーチなどに豊かな表現を与えるための一連の技法のこと。
「詩」を読むことによって、どのようなレトリックを学べるかというと、「メタファー(比喩)の引き出し」を増やすという点。
メタファーの力を活用することで、言葉以上のイメージを読み手に伝えているから。
人の心を動かす表現には、いつも優れたメタファーが含まれている。
リーダーの仕事が人々を動機づけ、一つの方向に向けて束ねることであるとするならば、リーダーがやれる仕事というのは「コミュニケーション」でしかない。
少ない情報で豊かなイメージを伝達するためのレトリックの根幹をなす「メタファーの技術」を学ぶのは、とても有効である。
「優れたメタファーの宝庫」である「詩」を学ぶことは、とても有効なリーダーシップのトレーニングになる。
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