【前回の記事】日本画制作日記「鶴」編(1)〜金箔の上からマスキング作業
http://kanzaki.sub.jp/archives/004402.html
前回、金箔を全面に貼り、その上から鶴と太陽(月)の形をしたマスキング作業を行いました。
今回は、そのせっかくの全面金箔を岩絵の具で上塗りします。
なぜかというと、岩絵の具を塗ったあと、マスキングシートを剥がせば、金色に輝く鶴や太陽(月)があらわれるからです。
ニカワ液とまぜた岩絵の具を筆ではなく、海綿でポンポンと叩いて彩色していきます。
一応、夕空を想定して彩色。
朱色をベースに、青系の色と交互に何度も彩色していきます。
何度も行うのは、金箔は水分をはじくので、完全に塗りきるには回数をこなさないといけないからです。
あらかた上塗りできました。
アクセントで青系を加えます。
その上から朱色をさらに塗って、目立ちすぎるのを抑えます。
右下に太陽(月)があるので、その辺りは黄色系を塗って、明かりを加えます。
青色の部分に黄色が加わって、少し緑色に変色しました。
左上は、太陽(月)の明かりから遠いので、紫系を塗り、暗さを表現します。
とりあえず彩色完了。
はたして、マスキングシートを剥がした際、ちゃんと金色に輝く鶴が羽ばたいているでしょうかね?
金箔の上から塗りつぶしたとはいえ、実は細かい隙間から、地の金箔が見えます。
角度によっては、その金色が発光します。
写真ではわからない効果が出ているのが面白いです。
全面に金箔を塗ったのは、そのためです。
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