(桂米朝の十八番「百年目」)
落語のネタに「百年目」というのがあります。
(「100日後に死ぬワニ」の話しではありませんよ)
切れ者で堅物の番頭さん。
大きな商店のすべてを仕切っています。
商売はできるのですが、小言がうるさいので奉公人からは嫌われています。
この番頭さん、商売のスキルが高い一方、夜遊びが大好きなのです。
芸者や太鼓持ちを引き連れた屋形船での行動は、相当遊びなれております。
ある日、そんな夜遊びをしているところを旦那さま(今でいう会社の経営者)に見られてしまいます。
翌朝、番頭さんは旦那さまに呼び出されます。
番頭さん、陰であんなことをしているの知られたのでクビを覚悟しビクビク。
ところが、旦那さまの口調は優しかったのです。
昨晩あれから、旦那さまは店の帳面を見ていました。
番頭さんは仕事をしっかりしており、落ち度がまったくありませんでした。
来年、のれん分けをするから店を任せたいと、旦那さまは深々と頭を下げます。
堅いだけでは商いはできない。
下の者に厳しすぎるとお店の雰囲気も悪くなります。
あれだけの遊びができるのだから、それをお店でも活かしてくださいと諭します。
※
表と裏を使い分けるのをおやめなさい。
旦那さまは、番頭さんを気遣いながら諭しました。
旦那さまは、かなり「自己肯定感」が高いように思いました。
一歩下がった客観的な視点で、状況をとらえることができるからこそ、番頭さんに新しいお店を任せたいと考えたのです。
柔軟に考え、対応することができる
一方、番頭さんは、あまり自分自身が好きじゃないのかな。
だから、店では口うるさく信用が無いし、ストレスのはけ口として夜遊びをしている。
ただし、その夜遊びも悪いことだけじゃない。
番頭さんは仕事をしっかりやっています。
夜遊びという気分転換の場所があることで、仕事のストレスをため込まず、その都度解消できる。
気持ちの切り替えが上手とも言えます。
夜遊びを見つかってしまいクビになるとビクビクしていたので、精神面はちょっともろいような感じを受けます。
(私は、番頭さんタイプだなあ・・・)
昔のお話しなのに、現代の企業のことみたい。
人間の本質は、今も昔も変わらないようです。
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