2020年10月22日

相手が「他人を攻撃せずにはいられない人」だった場合の解決策〜できるだけ避けること

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『他人を攻撃せずにはいられない人 (PHP新書)』(片田 珠美 著)より

ちゃんとした話し合いがいつかはできるようになるだろうなどという淡い期待は、早めに捨てたほうがいい。


攻撃欲の強い人は話し合いをぞんざいに片づけようとするかもしれないし、妨害するかもしれない、場合によっては拒否するかもしれないと覚悟しておくべきである。
そのほうが、現実的な対応ができるし、何よりも受けるダメージが少なくてすむ。


攻撃欲の強い人は変わらない可能性が高い。
まさに、「三つ子の魂百まで」ということわざ通りであり、あまり幻想を抱いてはいけない。


「狂気を癒す方法は見つかるが、根性曲がりを矯正する方法は全く見つからない」
とラ・ロシュフコーは言っているが、攻撃欲の強い人も一種の「根性曲がり」であり、つける薬はないのだと認識したうえで、どんなふうに対応するかを考えなければならないのである。



ある人が攻撃欲の強い人だということに気づいたら、最良の解決策は、できるだけ避けることである。


たとえば、同じ職場で働いている場合、勤務の時間帯を変更するとか、向こうがよく行く場所には足を向けないようにするとかして、なるべく顔を合わせないようにする。


場合によっては、異動や転勤を申し出るという選択肢だってあるかもしれない。


そこまでするかと思われるかもしれないが、私の外来に通っていた会社員の女性は、背後を通りぎる際に「死ね」とつぶやいたり、すれ違いざまに「邪魔」と叫んだりする先輩に悩まされて眠れなくなり、しばらく休職した後、自ら希望して別の支店に転勤した。


転勤後、受診した際に、
「支店を変わって、本当に良かった。ずっと胸につかえていたものが、やっと取れたような気がします。
会社に行っても、あの人の顔を見ずにすむのかと思うと、伸び伸びと仕事ができます。
ときどき、研修会や会議などで会うこともありますが、もう私とは関係ありませんから」
と語った。
ちなみに、例の先輩は、その後、新たに配属された女性社員をターゲットにして同じような嫌がらせを繰り返したため、パワハラ委員会に告発されたということである。



ときには、やむをえない事情により、同じ屋根の下で暮らさなければならないようなことだってあるだろう。


そういう場合は、できるだけ話さないようにするしかない。
ただし、表面上は、礼儀正しくしておくべきである。


天気とか暑さ寒さとかの当たり障りのない話題にとどめておいて、深入りしないことだ。
間違っても、あなたの私生活や心配事などを話してはいけない。


というのも、あなたがつい話してしまった内容を、攻撃欲の強い人は、都合のいいように解釈したり、脚色したりして、言いふらす恐れがあるからである。


たとえ質問されても、言葉を濁しておくのが、賢明だろう。取り調べで尋問されているわけではないのだから、きちんと正確に答える義務はないくらいの割り切った気持ちでいたほうが、厄介事に巻き込まれなくてすむ。



攻撃欲の強い人は、自分の要求をはっきり言わずに、欲しいものを手に入れようとすることが多い。


ほのめかしはするものの、何を望んでいるのかは明確にしないわけである。
暴力団が因縁をつけて金銭を要求する際に、「金をくれ」などとは決して言わず、「誠意を見せろ」と脅すのと同じである。


こういう場合は、わからないふりをするのが一番だ。
たとえ、何を要求しているのか薄々察しがついていても、しらばっくれるべきである。向こうがはっきり言うのを待っていれば、そのうち、あなたがわなに落ちないのを見て、いら立ってくるだろう。


※※※


攻撃欲の強い人というのはどこにでもいるものです。
できれば関わり合いたくありません。
その対処法を記したのが、この本です。


正直、相手を変えることなんてできません。
それならば、こちらが側が変わるしかありません。


自分の性格や考えを変えるのも、これまた難しいものです。
手っ取り早いのが、「距離を置く」ということです。


なんだ、そんなことか。
多分、私を含めて読んだ人の多くはそう思う事でしょう。


しかしこれが最良なのは間違いありません。
自分の心を壊す必要はありませんよ。

Posted by kanzaki at 2020年10月22日 06:55