2020年10月31日

古典「徒然草」〜昔のお偉いさんも、現代のビジネスパーソンも、評価される人間性は変わっていないなあとも思いました

turedure.JPG

死ぬ前にこれは読んでおきたいものがいくつかあります。
その一冊が、古典「徒然草」です。


『徒然草』(つれづれぐさ)は、吉田兼好(兼好法師、兼好、卜部兼好)が書いたとされる随筆。
清少納言『枕草子』、鴨長明『方丈記』とならび日本三大随筆の一つと評価されている。


●Amazon.co.jp: これで読破! 徒然草 eBook_ 三石由起子


昔の言葉なんてさっぱり分かりませんので、原文・現代語訳・解説がセットになったもので読んでいます。
ものすごいボリュームなので、時間をかなり費やしている最中です。


読んでいて思ったのが、「現代だったら、雑誌のエッセー・・・ネットのブログに書いているような内容だよなあ」という事です。
「徒然草」は、今だと「自己啓発系・断捨離系・ミニマリスト系のブログ」にジャンル分けできるかも。
そう思いながら読んでいると、敷居が低くなって読みやすいです。


それと、昔から人間の感情とか考え方は割かし変わっていないということ。
芯が通っていてプレーンなものは好意的に評価されるし、エロに関する感情は現代と変わっていない。


昔のお偉いさんも、現代のビジネスパーソンも、評価される人間性は変わっていないなあとも思いました。
そう思わせた部分の現代語訳が下記です。


※※※


家柄や容貌は生まれついてのものだが、心というものは、現在の状態から上に上にと、高く賢くなろうと努力すれば、いくらでも向上させられるものである。


いくら容貌や気立てが良くても、教養がなければ、身分が低くて顔の醜い人の中でさえ、気にも掛けられずに圧倒されてしまい、残念なことになる。


身につけたい教養としては、本格的な四書五経の学問、漢詩を作る事、和歌を詠む事、音楽の道である。


その他としては、官職制度の知識や儀式の方法で、人の模範になれれば素晴らしい。


悪筆でなくてすらすらと書け、酒宴の席で良い声で拍子を取り、困った様子をしながらも下戸ではないというのが、男としては良い。


※※※


先日、若手俳優がひき逃げして逮捕された後、その人の日頃の性格や態度が暴露されました。
同じ業界から擁護の声がまったくあがっていませんよね。


イケメンだとしても、やはり中身が伴っていなければ、この長い人生を一線でやりきっていくのは難しいのでしょうね。


上記の現代語訳を読むと、評価される人は、今も昔もあまり変わっていないですよね。
いくら見た目や家柄が良くても、アホだと評価されない。
そして、賢いだけではなく、愛嬌があって気さくな性格な部分が必要なのも、今と同じです。


私はもうこの年齢になると、地位とか肩書はどうでもいいです。
その代わり、「先生」と慕ってくれる子供たちに対しては、「人としての模範になれる、気さくなオッサン」にはなっていたいです。

Posted by kanzaki at 2020年10月31日 07:11