【モノにしばられない】
モノを多く持つと、穴を通るときに引っかかる。
だから、立ち往生する。
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もし、君に人を見抜く力があれば、相手を見ただけで、キッチン用品から捨てられないまま山積みになっているがらくたまで、その人がどんなモノを持っていそうか、手に取るようにわかるだろう。
そういう人は、まるで自分の所有物に鎖でつながれたまま、前へ進もうともがいているみたいに見える。
別の言い方をすれば、自分の体はどうにか穴を通り抜けたのに、運んできた家具がつかえて身動きが取れなくなっているように見えるのだ。
たとえば、見るからに好印象で、柔軟な考えのできそうな人が、家具の保険の話なんかしているのを聞くと、ぼくは心から同情してしまう。
「やっぱり保険に入ったほうがいいかなぁ?」
なんて聞くと、ああ、これで哀れな蝶がまた一匹、蜘蛛の巣に引っかかった、と思ってしまうのだ。
・『WALDEN』 CRW PUBLISHING LIMITED(ウォールデン 森の生活)
(ヘンリー・D・ソロー 著)より)
・ヘンリー・デイヴィッド・ソローは、アメリカ合衆国の作家。
ウォールデン池畔の森の中に丸太小屋を建て、自給自足の生活を2年2か月間送る。
代表作『ウォールデン 森の生活』(1854年)は、その記録をまとめたものであり、その思想は後の時代の詩人や作家に大きな影響を与えた。
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「ミニマリスト」や「断捨離」という言葉の前には、「シンプルライフ」「スローライフ」「ロハス」という言葉が使われていましたね。
昔から、こういう考えはあったのです。
「モノを多く持つと、穴を通るときに引っかかる。だから、立ち往生する」
というのは、なにも物理的なことだけではないですよね。
考えや人生も、身軽でいることで前へ進めるというものです。
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