来月から、職場に新入社員が入ってくるところも多いかと思います。
そこで本日のお話しは、「良いマニュアル」と「良いチェックリスト」についてです。
ここで説明されているものは、全くの素人でも間違いなく実行できる方法についての考え方です。
コツは「正しさ」ではなく、「迷わない」ことこそが、良いマニュアル・良いチェックリストなのです。
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●『仕事が速いのにミスしない人は、何をしているのか?』(飯野謙次 著)より
【良いマニュアルとは】
マニュアルの目的は、そのしくみ全体を理解することではありません。
より少ない労力で、誰もが正しい手順を辿れることです。
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例えば、4本の電線を接続する場合。
白・赤・黒・黄、どの順番で接続しても良いものとします。
どんな接続の順番でも良いと言われると、逆にどうしようかと迷ってしまうものです。
その場合、良いマニュアルというのは、
「4本の電線を、黒、白、黄、赤の順に接続してください」
と書かれたものです。
4本の電線の接続は、「白→赤→黒→黄」の順でも「黒→黄→白→赤」の順でもいいので、この書き方は「100パーセント正しい」とはいえません。
しかしこの通りにやれば誰でも、迷うことなく電線を接続することができます。
それが大事なのです。
たとえ正しくなくても、その通りにやったらできてしまうマニュアルが、ユーザの立場に立った「良いマニュアル」なのです。
マニュアルは技術解説書とは違います。
間違ったことが書いてあっては困りますが、正確である必要はないのです。
もし、あなたがマニュアルを見ているのに失敗したとしたら、あるいは何か迷いが生まれたら、そのマニュアルは「悪いマニュアル」です。
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【良いチェックリストとは】
チェックリストは、日本独自の文化ではありません。
私もかつてアメリカで仕事をしていたときには、アメリカでつくられたチェックリストを使っていました。
単純に比較できるものではありませんが、私はチェックリストの作成においては、アメリカのほうに分があるように感じます。
アメリカのチェックリストは、非常に小さなステップが一つずつ項目化されているのです。
その分、項目は多く、リストはとても長くなりますが、チェックマークを入れるときには何も考える必要はありません。
シンプルで使いやすいつくりでした。
一方、日本のチェックリストは、一つの項目にいくつかのステップが含まれていることが多いように感じます。
項目の中に、「ここまではできたけれど、ここから先はまだだ」ということが起こりえますし、考えなければいけないことが入っていたりします。
だから、使いづらいのです。
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もともと手順でミスをしないためにつくるものなのですから、日本のチェックリストもアメリカにならって、愚直に1作業1チェックでつくるのがいいと思います。
このとき、作業のやり方が2通り以上あっても、どちらかに決めてひと通りだけを手順にするのがコツです。
チェックリストを追いながら作業をする人が混乱するような書き方は、絶対に避けてください。
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仕事って、必ずしも正解はひとつではありません。
そこへたどり着く過程もまた、ひとつではありません。
けれど、マニュアルやチェックリストを作成する際は、正解や過程について、ひとつだけ書くのがコツのようです。
相手が迷わないためです。
相手が新入社員なら、なおさらです。
注意して作成してみましょう。
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