相手に納得してもらう説明の仕方をご紹介します。
「三角ロジック」という構成を用います。
そして大切なのは、主張と根拠をセットで伝えることです。
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『とっさの伝え方○×ルール37』(櫻井 弘 著)より
【三角ロジック】
論理的に伝えるためのスキルとして「三角ロジック」を紹介しておきましょう。
三角の頂点に位置づけられるのが、「主張」です。
そして、底辺の2点に当たるのが、「データ」と「理由づけ」となり、この2つを合わせたものを「根拠」と言います。
したがって、会話のみならず、ビジネス場面での説明やプレゼンテーションにおいても、「主張」と「根拠」、この2つを「セット」にして伝えなければ、相手は理解できず、結果的に伝わらないことになります。一例を挙げておきましょう。
(1)「主張」:
「明日は傘を持って行きなさい!」
(2) 「データ」:
「なぜならば、明日のこの地域の降水確率が、気象庁のデータによると80%になっているからです」
(3) 「理由づけ」:
「気象庁の降水確率のデータであれば、信頼できるので、高確率で雨が降ると予想される」
上は、〈まず主張ありき〉で組み立てていることがわかります。
そして、最初の主張点「だからこそ、私は明日あなたに、傘を持って行きなさいと主張しているのですよ」となるわけです。
論理的に伝える手法は、説得のコミュニケーションで力を発揮します。
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【主張と根拠をセットで伝える!】
ここで注意すべきポイントを一つ。
多くのケースで「主張」を避けようとするあまり、「根拠だけ」述べて終えてしまう傾向があります。
先の例で言うと、「明日はこの地域の降水確率が80%らしいですよ。これは気象庁の情報ですよ」という伝え方です。
こうなると、伝えられた相手は一体どのように考えるでしょうか。
「それが一体何なのですか!?」
「あなたは一体私に何を伝えたいのですか!?」
となるでしょう。
このように、根拠を話してから、「あとはお察しください」と相手にもたれかかったような伝え方は改善していきましょう。
一方、親や上司のように、立場が上の人は往々にして「主張」しかしません。
先の例では、「明日は傘を持って行きなさい!」と言うだけで、根拠を一切、説明しないわけです。
この場合、伝えられた相手はどう考えるでしょうか。
納得できないまま、しぶしぶ行動せざるを得ないはずです。
以上のように、「根拠」だけでも、「主張」だけでも、自分の思いや必要な情報は、正確に相手には伝わりません。
自分の「考え・必要な情報」あるいは「主張」を、相手に伝えるためには、「主張と根拠をセット」にすること。
これを覚えておいてください。
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焦って仕事をしていると、「主張」ばかりになってしまうように思います。
「まずは、結論から言いなさい」というのが頭にあるからです。
先に伝えたいことを言い切って安心してしまうのか、つい「根拠」を忘れてしまいがちです。
反対に、長丁場の会議になると、「根拠」とかデータばかりの説明になってしまいます。
いろんな立場の人が大勢参加すると、なおさら自分から「主張」はしにくいですから。
主張は、立場の上の人の口から出してもらいがちになります。
会話の中だと、冒頭のような手法を忘れがち。
しかし、報告書や稟議書などでしたら、まだ自分のペースで落ち着いて考えられる時間があります。
まずはそこからはじめてみようと思います。
「三角ロジック」「主張と根拠をセット」を意識したいと思います。
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