世界でもっとも過酷な刑罰はなんだと思いますか?
それは、囚人に午前中はひたすら穴を掘らせ、午後はそれを埋めさせるのを繰り返すものです。
ゴールや結果がないから、達成感が得られない。
すると、「むなしさ」だけが生まれ、それが人間にとっていちばんつらいのだそうです。
本にそう書いてあって、確かに納得しました。
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お坊さんの修行は、そういった達成感に対して「無」になることのようです。
人生とは、老いて死ぬこと。それだけ。
結局、人間は死に向かって生きており、すべてはその通過点という考えです。
日々の座禅とかも、冒頭の過酷な刑罰みたいなもので、それを行っても「無」であるように心を整えているのだそうです。
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しかし我々凡人には、その通過点は「旅行」みたいなものです。
目的地へ向かう道中の楽しみも、旅の醍醐味であります。
あとで笑い話になるような失敗談も、その通過点があってのことです。
もし将来、「どこでもドア」が発明されても、あえてそれを使わないで目的地へ向かう人も少なからずいることでしょう。
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日々の仕事を冒頭のような「世界でもっとも過酷な刑罰」だと感じている人も多いことでしょう。
お坊さんのように「無」を取得なんて、なかなかできません。
日々、「小さな目標」を立てるのが良いのではないでしょうか。
あまりにも大きな達成感やゴールは、麻薬や劇薬みたいなもの。
心のふり幅が大きすぎて、消耗してしまいます。
大きな目標は、小さな目標のピラミッドの上に成り立っています。
小さな目標は、そこまで劇薬じゃないし、負担は少ないです。
かえって、やる気が出しやすいです。
どうか、自分を「囚人」だとは思わず、「旅人」だと思い、「こころの旅」を共に続けましょう。
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