●『心に折り合いをつけて うまいことやる習慣』(中村 恒子, 奥田 弘美 著)より
(昭和4年生まれの現役精神科医・中村恒子先生のエッセイ)
一つ、私からのアドバイスは、立ち止まらないことです。
何をしてもうまくいかないから、仕事も付き合いもやめて家ですっこんでしまう。
何をしてもうまくいかないから、テレビを観たり、ゲームばっかりして時間をつぶしてしまう。
何をしてもうまくいかないから、やけ酒をしたり暴飲暴食を繰り返したりして身体を壊してしまう。
それが、立ち止まるということです。
これをやってしまうと、歯車が余計におかしくなっていきますわ。
立ち止まってしまうことなく、日々の生活をたんたんとすること。
今まで培ってきた人間関係を普通〜に続けていくこと。
それが何より大切やと思いますな。
限界を超えて無理をするということではありません。
うまくいかない時期は元気もなくなっているやろうから、自分があまり負担なく付き合える人と付き合えばええし、無理やりプラスアルファの仕事や勉強を己に課すこともありません。
「うまくいかないからがんばろう」やなくて、「うまくいかないけど、まあぼちぼちやりましょう」くらいの気概でええと思いますな。
全力が100点だとしたら、60点くらいの力でええ。
可もなく不可もなく、くらいの運転をしていきます。
※※※
本の中に、こんな言葉がありました。
「完ぺきを目指して挫折するよりも、不細工な形でも続けていくことのほうが大事なんやないかと私は思います」
実際、自分の人生を振り返るに、「不細工な生き方」だと思います。
けれど幸い、立ち止まることは無かったように思います。
ヤバい時こそ、「淡々と」「粛々と」生きてきました。
目の前のことをなんとかこなして一日が終わる。
これしか出来ないし、これで良いのですね。
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