2021年09月22日

独学〜学ぶということは「教えてもらう」ことではない

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(奥に見えるのは佐渡ヶ島)

●『別冊NHK100分de名著 読書の学校 養老孟司 特別授業『坊っちゃん』』(養老 孟司 著)より


学ぶということは「教えてもらう」ことではない。
教育の基本は独学、その根本は学ぶ気持ちです。


学ぶ本人に「学びたい」という気持ちがなければ、何を教えても伝わらない。
昔風に言えば、学びたいことがあるなら「自分で盗め」です。


先生はなぜ偉いのか。
肩書きがあるからとか、実績があるからではない。
東京大学を出たから、ノーベル賞を受賞したから、そんなことは関係ありません。


こちらがその気になれば、猫だって立派な先生になる。
うちの猫は毎日寝てばかりですが、ああして楽しく生きていけるとは人生の達人だ、学びたいもんだと私は思います。


学ぶ側が、「この人は自分にないものを持っている」「この人からこのことを学びたい」と思えば先生になる。
君たちにはそういう人がいますか。
自分に足りないものを持っている人が自分にとっての先生です。


自分に足りないところ、欠けているところがわかっている人は、何も教えなくても自ら学ぼうとします。
学生やインターンを教える時も、一番大事なのは、本人の「学びたい」というモチベーション。
それがない人は誰に何を言われても勉強しません。
そんな人は大学に来る意味はない。


※※※


「優秀な人」というのは、全てのことができる人ではないと思います。
優秀な人とは、「自分の出来ること」と「出来ないこと」が分かる人というのが大前提です。
その上で、出来ないことをなんとかやり切るのが、本当に優秀な人ではないでしょうか。


出来ないことをなんとかやり切るには、新たな知識・情報を短時間で収集・会得する必要があります。
広義な意味で「独学」ですよね。


独学しても、自分独りでは実現不可能な部分があります。
そういう時、一人で抱え込まないで、周囲の人にお願いして手伝ってもらう(丸投げはしない)。
そうやって達成できるのが、本当の意味で優秀な人なんじゃないでしょうか。

Posted by kanzaki at 2021年09月22日 06:59