2022年12月10日

感情に名前を付ける

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●『自分のこころのトリセツ』(下園 壮太, 柳本 操 著)より


「わかってもらいたい」という欲求が強まったときにお薦めなのが、「フォーカシング(焦点を当てる)」というワークです。


フォーカシングとは、自分の潜在的な不安を「自分」にわかってもらうためのスキル。
胃がムカムカする、のどがつかえたような感じ……というような漠然とした身体感覚に焦点を当てることを通じて、これまで見ないようにしていた感情に気づいていく、という心理手法です。


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一人でゆったりできる時間と場所を確保します。
体の感覚に注目し、今感じている嫌な感覚、引っかかる感じに集中します。


その犂兇賢瓩法嶌まで放っておいてごめん。そこにいるのはよくわかったよ」と心でつぶやいて。
その嫌な感じは、体のどこにある?
どんなかたち、色をしている?
重い?
軽い?
というふうにイメージし、その感じにぴったりくる名前(「黒い石」「トゲトゲ」など)をつけてみましょう。


名前をつけたら、チョコレートを口の中で溶かすようにその感覚を少しずつ味わってみます。


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その嫌な感じのものは、本当は何らかの危険からあなたを守ろうとしてくれている。
では、何を伝えようとしているのか。
浮かんでは消える思いや体の感覚に身を委ねながら、感じ取ってみるのです。
しばらく行い、自分が終わりたいところで区切りをつけて終了します。


人は、心に引っかかることがあってもそこを直視するのは怖いから、忘れよう、忘れようとしがちです。
問題を表面的に分析し、解決したようなつもりになっていますが、実は置き去りにされた感情が自分をむしばんでいるのです。


考えてみたら、自分の気持ちそのものとじっくり向き合うことは、そうそうないものです。
心と向き合うことで、自分の弱さに気づいてやることも大事なことです。
自分のことを一番よくわかってやれる友達は、自分なのですから。


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【コメント】


精神科医の治療法ではありますが、実に仏教的ですね。


感情に名前を付けるというのは、仏教の「ラベリング」に似ています。
瞑想をする際、いま起きている現象に相応しい簡潔な言葉へ代替し、妄想が入り込まないようにする工夫のことです。


「背中がかゆい」ならば「かゆみ」という単語を、「ハエが横切った」ことで気が散ったら「ハエ」という単語を何度も唱えるといった具合。
また「雑念」という単語そのものをラベリングするのも効果的です。
(『「あるある」で学ぶ 余裕がないときの心の整え方』より)


そういや、怒ってしまったり、イライラした際の対処法として、「ああ、私は今、とても怒っている」とか客観的に自分を観ることで落ち着かせる手法もあります。


名前を付けるのも、客観視するための儀式なんでしょうね。

Posted by kanzaki at 2022年12月10日 07:01