●『「判断するのが怖い」あなたへ 発達障害かもしれない人が働きやすくなる方法』(佐藤恵美 著)より
【「業務を同時並行する」とは?】
発達障害特性のある人は、「複数業務の同時並行が苦手」などとよくいわれます。
しかし複数業務の同時並行といっても、まったく「同時」に業務を行うわけではありません。
手も頭も一つ(一対)しかありませんから、まったく同時にできるわけがありません。
仮にABCD4つの業務があるとすれば、Aを1時間やって、Bの必要性が出たらBに移って、Cも少しだけ手をつけておくけれども途中まででやめておき、全体の業務の状態を俯瞰して、またAに戻って作業を進め、Dは手が空いたときに構想だけを考える……というように、業務の全体像を確認しながら4つを行き来して、すべての納期に間に合うように、随時、所要時間や順番を入れ替えながら行っていくというものです。
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【「優先順位をつける」とは?】
優先順位をつけるとは「Aが1番、Bが2番、Cは3番という具合に、重要度や納期に応じて順番に並べることである」という考えは決して間違いではありません。
しかし、これを実際の業務に当てはめると、少し違います。
既述の「複数業務の同時並行」の話でもわかるように、大抵の場合業務は「一つ終わったら次に移る」というわけにはいかないので、実際は一つひとつにきれいに優先順位はつけられないのです。
ですから、「優先順位をつけなさい」と言われたときには、「それぞれ適切なタイミングでアウトプットしてください」と言われていると考えたほうが現実的です。
文字通り、業務に優先順位をつけようとすると、かえって混乱することがあります。
だとすると、結局のところ「複数の業務を同時並行でやれ」と中身は同じで、複数の業務を適宜行き来しながら、どの業務もそれぞれの納期にゴールできるようにする、ということになります。
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【コメント】
「優先順」とは「それぞれ適切なタイミングでアウトプットすること」。
今まで、「優先順位をつけろ」という指導に、今一つしっくりきていませんでした。
結局は、丁度いい塩梅で手を止め、そして別の作業へ切り替える連続。
そうやりながら、すべてを同時並行していくことなんですね。
パニックにならないよう、それぞれの進捗状況を把握しておくのが大事なんじゃないのかなと思います。
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