●『諦める力〜勝てないのは努力が足りないからじゃない』(為末 大 著)より
「今まで一生懸命やってきたし、続けていれば希望はある」
こう考える人は、もしかしたら自分を客観視できていないのかもしれない。
一生懸命やったら見返りがある、という考え方は、犠牲の対価が成功、という勘違いを生む。
すべての成功者が苦労して犠牲を払っているわけではなく、運がよかったり要領がよかったりして成功した人のほうが実際は多いのではないだろうか。
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だが、こと陸上にかぎっても、後悔や疑問の声は頻繁に聞こえてくる。
まったく気づかないで競技に没頭していたのならともかく、自分の将来に薄々気づいていながら諦める、やめるという選択に踏み出せなかった背景には、何かこの社会の根源的な問題があるような気がしてならない。
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日本人は「せっかくここまでやったんだから」という考え方に縛られる傾向が強い。
過去の蓄積を大事にするというと聞こえはいいが、実態は過去を引きずっているにすぎないと思う。
経済活動も含めて、日本人はサンクコストを切り捨てることが苦手だし、サンクコストを振り切って前に進むのがいけないことのように考えがちだ。
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【コメント】
長年続けてきたことを「やめる(あきらめる)」のは、本当に難しいものです。
仮にその人から相談を受けても、責任重大だから無難な選択(「続ける」という選択)を伝えますよね。
自分の人生を「客観視」するというのは大切ですね。
なかなか、それができるものではありませんが。
重大な人生の選択には「必要な眼」です。
下記のような考えもあります。
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●『自分だけはいつも「自分の味方」 (ディスカヴァーebook選書)』(和田秀樹 著)より
でも、一日の中には自分の自由になる時間がきっとあるはずです。
そういうときこそ、自分だけは自分の味方であってください。
もっとはっきり言えば、引きこもっていいのです。
社会とつながらなくていいし、他人と連絡なんか取らなくていいし、誰とも約束なんかしなくていいから、好きなことだけして引きこもってください。
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「自分だけはいつも自分の味方」であるという考えです。
「他人の眼」で人生を生きたところで、その他人は責任も感謝もしません。
「そういうもんだ」と思っているだけです。
だからこそ、自分の人生を誤らないよう、自分で考えるしかないのだと思います。
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