●『ストア派哲学入門 ──成功者が魅了される思考術』(ライアン・ホリデイ, 金井啓太 著)より
※ストア派は、ヘレニズム哲学の一学派で、紀元前3世紀初めの古代ギリシャでゼノンによって始められた。
自らに降りかかる苦難などの運命をいかに克服してゆくかを説く哲学を提唱した
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ストア派では当初から朝晩の儀式を大事にしていた。
朝、一日の準備をし、晩に一日を振り返るのである。
君も本書を使って二つの儀式を始めよう。
一年間三六五日、一日一度、黙想をするのだ。
専用のノートを用意して、考えたことや起こした行動を書き留めておくのもいい。
ストア派の哲人たちもそうしていたのだ。
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成功者の多くは朝の儀式をもっている。
瞑想する人もいれば、トレーニングをする人もいる。
いちばん多いのは日誌をつけることである。
ほんの数ページ、自分の考えや不安、希望を書きつけるのだ。
いずれにしてもポイントは、儀式の形式ではなくて内省を日課としていること。
つまり、自己の内面を見つめ、黙想する時間をとっていることである。
ストア派の哲人たちもそうした時間を何より大事にしていた。
マルクス・アウレリウスが『自省録』を書いたのが朝か夜かは分からないが、多忙な公務の合間に一人黙想する時間を捻出していたのはたしかだ。
そして、誰に見せるわけでもなく、ただ自分のために文章を書き綴った。
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セネカは兄のノウァトゥスにあてた書簡で、とある著名な哲学者から借りた訓練法を紹介した。
毎日、一日の終わりに、次のような質問を自分に問いかけるのだ。
「今日一日、どんな悪い習慣を抑え込めただろうか?」
「どんなふうによくなったか?」
「自分の行いは正しかったか?」
「どうすればもっとよくなるか?」
一日の始まりか終わりに、ストア学徒は座して日誌をつけ、内省をする。
自分のしたことや考えたことを振り返り、改善点を探す。
マルクス・アウレリウスの『自省録』がどこか謎めいた書であるのは、まさにこのためである。
世の人々を啓蒙するためではなく、自分の心を明らかにするために書かれたのだ。
こうして日誌をつけることは、昔も今も、ストア哲学の修行法である。
祈祷や賛美歌を繰り返し捧げるのと同じように。
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【コメント】
内省とは、「自分の考えや言動、行動について深く省みること」です。
頭の馬鹿だけで考えるより、ノートなどへ文字としてアウトプットし、視覚的に表すのは良いことだと思います。
頭の中だと、一つのことだけでループしまいがちです。
しかも、あいまいな感じで。
文字として書き出すということは、第三者にもわかる形での表現ですよね。
こうすることで、自分の考えが整理され、どう行動すればよいかが見えてきます。
自分の一日の行動に、更に読書をプラスするとよいと思います。
別の人から見た世の中の表現を体感できるからです。
読書と、今回紹介した内容を組み合わせてやってみると、かなりの効果になるんじゃないかなと思いますよ。
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