2023年03月02日

望みは小さく持ったほうがいい

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●『自分のままで暮らす』(吉沢久子 著)より


知人の結婚式に招かれたとき、新郎の恩師であった坪田譲治先生が、祝辞のスピーチに立たれました。
その中で、こうおっしゃったのです。


「望みは小さく持ったほうがいい」


この言葉を聞いたとき、私ははっとしました。
目からウロコが落ちるとは、こういうことなのだと思いました。


あまりに大きな望みを持つと、そこにたどり着くまでの道のりは、長く険しいものになります。
望みにたどり着けず、挫折することもあるでしょう。
それは心にいらぬ傷を残します。


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叶えられるくらいの小さな望みなら、そこにたどり着いたときの達成感を得られますし、また次の望みを実現しようと一歩踏み出せます。
だから、「望みは小さく持ったほうがいい」と言われたのだと、私は思いました。


考えてみれば、私は望みだけは人一倍でしたが、望むだけで満足して、実現するための努力は中途半端でした。
望むものが叶わない。
そのストレスでいっぱいになっていた私を、言い当てられたような気がしたのです。


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今でも心にしっかりと刻まれています。
私の人生に大きな影響を与えてくださったことに感謝しています。


虚勢を張ることがなくなりました。  
人よりよく見られたいと思ったり、他人と自分の暮らしを比べたりすることもありません。


小さな幸せに気づけるようになり、ささいな喜びで日々を十分楽しく生きられるようになったのも、この言葉のおかげです。


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【コメント】


著者は2019年3月21日、心不全により101歳で他界されました。
晩年に書かれた書籍には、やはり年長者ならではの「重み」あるいは「手放したが故の心の軽さ」が感じられます。


小さな望み、小さな幸せ。
いいじゃないですか。
私もそういうものに目が行くようになりました。


それは、本当の幸せを手に入れる一歩ではないかと思います。

Posted by kanzaki at 2023年03月02日 07:12