●『死の壁(新潮新書) 「壁」シリーズ』(養老孟司 著)より
戦争やテロが起きるのは、原理主義によるところが大きいということはこれまでにも何度も述べてきました。
原理主義、あるいは一元論というものを『バカの壁』でも延々と批判しました。
一元論に陥ったときに、人は絶対の真実があると思い込んでしまいます。
絶対の真実を信じる人は絶対の正義を振りかざします。
人間は「自分が絶対だと思っていても、それとは別の考え方もあるだろう」というくらいの留保を持ったほうがよい。
そうすれば「絶対の正義」を振りかざしてぶつかるということもなくなるのではないかということです。
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【コメント】
真実はいつも一つじゃない。
真実が一つということにして、早い決断をしてしまえば、プロジェクトの行動が早くなるメリットがあります。
大勢の人が関わっていたら猶更です。
けれど本当は、真実は一つじゃないし、答えはいくつもあるものです。
本当は分かっている。
けれど、他人に判断をゆだね、指示待ち人間になっている方が楽。
だから、「本当の真実」なんかどうでもよくて、他人に判断してもらう。
そういう人が多い。
「絶対の正義」とは、誰か特定の人の考え、判断です。
複数ある回答のたった一つに過ぎない。
それが分かっていても、答えは一つの方が何かと都合が良い世の中。
仕方がない。
心の片隅に、ちょっとだけで良いから、その答えに対する反論精神は持っておく。
そうすれば、大勢は影響ないかもしれないけれど、細かい部分の「改善」は可能です。
改善の積み重ねで、答えの精度を高めるのならできるんじゃないかなあと思います。
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