●『図解 コンサル一年目が学ぶこと』(大石哲之 著)より
「質の高いものにするには、なるべく多くの時間を使うことだ」
わたしがコンサルタントになってすぐ学んだことは、少なくとも仕事に関して言えば、これらは噓であるということ。
むしろ、早い段階でたたき台を出して、それを改良していくPDCAサイクルを高速で回すほうが、短時間に質の高いものができあがります。
大切なのは、Quick and Dirtyを心がけること。
反対語は、Slow and Beauty です。
Quick and Dirty とは、直訳すれば、「素早く、汚く」ということ。
時間をかけて完璧なものを目指すよりも、多少汚くてもかまわないので、とにかく早くつくる。
出来は悪くとも、早く仕上げたほうがよいということです。
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次の2点で、Slow and Beautyより Quick and Dirtyのほうが理にかなっています。
ひとつは、時間の問題です。
実は、0点から90点まで完成させるのにかかった時間と、90点から99点にいたるのにかかる時間は同じだと言われています。
そして、99点から100点にするには、さらに同じだけの時間がかかる。
時間をかけても徐々に精度が上がらなくなっていくのです。
これは、ベル研究所のトム・カーギルが提唱し、90点から100点にするのは、0点から90点にするのと同じだけの労力が必要になるという意味で「90対90の法則」と言われています。
ですから、90点のところで止めておく。
もしくは60点くらいでもOKとする。
60点じゃ使いものにならないのではないか、とお思いかもしれません。
もちろん、最終の成果物が60点では困ります。
しかし、大枠の方向性を決めるには60点で十分なのです。
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【コメント】
私も60点主義なので賛成です。
100点満点にならないと提出しない、とにかく遅い人がいますが、私には考えられません。
(そして、その人が思う100点の提出物は、相手が思う100点の成果物では絶対にない)
そもそも、100点と得点をつけるのは相手側です。
そして、60点から100点へ精度を高めるには、両者の力が必要なのです。
だから、私は早々に60点の成果物(私は「たたき台」という)を提出します。
それに対し、相手が何も言わないで終了する場合もあります。
実際、その程度でもよい依頼だったのかもしれませんし、不満に思ってもこれ以上ブラッシュアップはなにかしらの理由で不要なのかもしれません。
ブラッシュアップは双方の力が必要なのを分かっていますので、非協力的な相手には、それ以上の対価は不要だと思っています。
たとえそれで、自分の評価が下がったとしても問題ありません。
私も相手の評価を下げるだけですから。
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