●『老いの地平線 91歳 自信をもってボケてます』(樋口 恵子 著)より
私が理事長を務める「高齢社会をよくする女性の会」の広島代表で、社会学者の春日キスヨさんが、「ピンピンしている元気な時期の後に、半分自立しているヨタヨタヘロヘロの時期があり、その後にドタリと倒れて寝たきりになる」とおっしゃいました。
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長く終末期介護のサポートをしている春日さんから聞いた話では、「ドタリと倒れてから半年くらいをピンピンコロリとするならば、実際にピンピンコロリで亡くなる人は1割ほど」とのことでした。
つまり、多くの人はドタリと倒れた後、数カ月から年単位で寝込むことになるのです。
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自立して日常生活を送れる健康寿命は、女性よりも男性のほうが長い。
介護保険の利用理由を見てみると、女性は骨折、転倒、骨粗しょう症、この3つの事故・疾病だけで全体の3割を占めます。
要するに運動機能の問題です。
一方、男性はというと、全体の3割を占めるのが心臓病、脳血管症。
心臓および循環器系の病気です。
言ってしまえば、男性のほうが死にやすいということ。
女性のほうは、骨折したってずっと生きているわけです。
もちろん男性にもヨタヘロしながらでも元気に長く生きてほしいと思いますが、数のうえからいうと、ヨタヘロ期を長く過ごすのは圧倒的に女性です。
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ヨタであろうとヘロであろうと、なけなしの身体的能力を振り絞ってでも運動の習慣をもったほうがいいと思います。
家の中を動ける、自分が行きたいときにトイレに行ける、それはヨタヘロ期を過ごすうえでとっても大事なことです。
ピンピンコロリは確かに理想的ですが、現実はそう簡単にはいきません。
ドタリと倒れてから、さてどうやって生き延びるか。
私にとって、そしてこれからの社会にとっても大きな課題です。
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【コメント】
ピンピンコロリというのは幻想だとうすうす気づいていました。
死ぬ前に寝たきりという時期がある。
そうそう理想通りにはいかないようです。
老後とか、病などで死とかに対して、まだ漠然としたものしかありません。
それより、長時間残業による過労死のほうが心配だ・・・。
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