●『長生き地獄 資産尽き、狂ったマネープランへの処方箋 (角川新書)』(森永 卓郎 著)より
ただ、そうした充実した老後は、健康とお金があってのことだ。
健康は、人それぞれの部分があるのだが、すべての人に共通して問題になるのは、お金のほうだ。
高齢者の生活を支えてきた公的年金が、今後ずるずると減り続けていくからだ。
詳しくは本文で触れるが、30年後は平均的サラリーマン世帯だった夫婦2人の年金が、月額13万円まで減っていく。
普通に考えたら、13万円で暮らすことは不可能に近いだろう。
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収入が年金だけの世帯は、月額収入が現在の21万円から13万円に下がる。
もし現在と同じ支出を続けると、毎月の赤字は13万円ということになる。
これを30年間積み上げると、赤字は4680万円ということになる。
老後を迎えるのに5000万円近くという、ほとんど実現不可能な貯蓄が必要になってしまうのだ。
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もちろん、高齢期に月額13万円の勤労収入を得るのは非常に大変だ。
しかも、働けば税金も社会保険料も増えてしまう。
投資で毎月13万円を稼ぐのはもっと大変だ。
一方、支出を半減させるのは、一見困難にみえるが、私はやり方次第で不可能ではないと考えている。
節約には、税金も社会保険料もかからないから、節約分は丸々収支改善に結びつくからだ。
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【コメント】
投資等をするのは勿論本人の自由です。
しかし、あくまでも余ったお金(失っても問題ない金額)の範囲で行うべきだと思っています。
遊び、レジャーとかそういうポジション。
私は仕事柄、多くの方の老後(及び死後)のお金について見てきました。
多くの人は自分が高齢になると、死ぬ前の整理という形で、投資やらなにやらを精算しています。
まだ元気であってもです。
ずっと投資をし続ける人は、殆どいません。
投資って、その程度のものなんです。
投資の前に、節約とか断捨離とかを考えてください。
支出を減らすというのは、ある意味リターンの高い投資です。
メディアを通じて投資をものすごくアピールしているけれど、よく考えて実行してください。
世の中の投資の分母を増やしたい人がいるということを。
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