●『中国古典の知恵に学ぶ 菜根譚』(洪自誠, 祐木亜子 著)より
※『菜根譚』(さいこんたん)は、洪自誠(洪応明、還初道人)による随筆集で中国古典の一つ。
前集222条、後集135条からなる中国明代末期のものであり、主として前集は人の交わりを説き、後集では自然と閑居の楽しみを説いた書物である。
明治時代以降も、清言の書として人々に愛読された。
処世訓の最高傑作の1つとして、田中角栄、吉川英治、川上哲治、野村克也も愛読した。
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【自分で運命を切り開く】
天が幸福を授けてくれないなら、自分を磨いて幸福を得よう。
天が肉体を苦しめるなら、精神を楽にして苦しみを減らそう。
天が進む道を阻むなら、努力してわが道を貫き通そう。
こうすれば、天といえども、どうすることもできないだろう。
(前集九〇)
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若いころは節度を守って生きていたのに、晩年になって欲におぼれてしまったり、人の道にはずれた生き方をしてしまったりすると、それまできちんと生きてきた半生が台なしになってしまう。
人間の一生は、後半の人生をどう生きるかで決まるのだ。
(前集九二)
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【飾らずに生きる】
完成度の高い文章とは、奇抜で凝(こ)った表現をしているわけではない。
ただ、言わんとすることが一読してすっと心に入ってくるような表現をしているだけである。
人格的に素晴らしい人というのは、普通の人と比べて特に変わったところがあるわけではない。
ただ、自分を飾らず、ありのまま生きているだけである。
(前集一〇二)
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【主体的に生きる】
自分の考え方や信念をしっかりと持ち、自分が主体となってさまざまな物事を推(お)し進めていく人は、成功してもおごらず、失敗してもくよくよしない。
こういう人は、どこで暮らそうとも、何が起きようとも悠然と構えていられる。
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【コメント】
漠然とこれからの人生について、希望ではなく不安だけがもやもやとわいてきます。
昔の人だっから死んでいてもおかしくない年齡だからです。
現代だって、死にはせずとも、急に倒れて長期入院される同年代が少なからずいます。
自分だけは違うなんてことは、そうそう思えないのです。
主体的に自ら人生を切り開いていくといっても会社員ですから、どうしても制限があります。
自分一人じゃないですから、勝手にはできません。
なんだか世の中、70歳まで働くのが当たり前のような風潮になってきています。
「退職後に年金をもらえるのか? 働いている途中で死ぬのか?」みたいな、かなり際どい感じになりそう。
大きな感じで考えると不安ばかり。
一日に30分で良いから、「仕事以外に主体的に生きる時間」を設けたいものです。
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