●(『頭が突然鋭くなる瞑想法 ― ブッダが悟りをひらいた人類最高の英知 (スマナサーラ長老クラシックス)』(アルボムッレ・スマナサーラ 著)より
ところが、このプロと言われる人たちにも失敗があります。
というよりも、失敗というのはプロの人たちにこそ多いのです。
あれはどうしてでしょう?
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何十年という経験を積んだタクシーの運転手が、事故を起こす。
これもプロの失敗ですね。
かなりの腕前の人がやって失敗する。
失敗というのは、プロのほうが多いのです。
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電車やクルマのベテランの運転手は、なぜ失敗するのでしょうか。
それは、傲慢さが出るからです。
こんなこと何年もやってきたのだ、かんたんなものだ、目をつぶってもできるさ、というふうにバカにしてしまうのです。
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つまり観察することを忘れてしまうのです。
プロと言われる人が、もっとも重要に考えてやってきた“観察”を忘れてしまう。
慣れたもんだよ、こんなこと見なくてもできますよ、と傲慢な気持ちが出てそこで失敗してしまう。
前に言ったでしょう、どんなに同じような現象であろうと、同じ作業、同じ行為であろうと、人生に二度目というものはないのだ、と。
すべて新しい、はじめてのできごと、体験なのです。
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それははじめてのできごとなのです。
それを、なんだ昨日と同じだ、と思ってしまうと、そこに緊張感がなくなって観察能力がゼロになって、つまりおもしろさを感じなくなってしまうのです。
バカになってしまうのです。
「あっ、おもしろい」という発見がなくなると、単純なミスを犯すような失敗が出てしまうのです。
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日本の禅の諺にたいへんいい言葉があります。
それは一期一会という言葉です。
一期一会の精神を忘れた人には、人生おもしろく生きていくことなんてできません。
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とにかく、焦ってはいけません。
焦ってものごとを早くやろうとすることは、理性ある鋭い頭を持った人々にはぜったいの禁止事項です。
これらはすべて無知につながってしまうことです。
すべての事象を一生観察すること、それに尽きるのです。
それが念入りにやることにもつながり、念を入れてやるということはそういうことなのです。
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【コメント】
クルマの運転も、日常の運転も、慢心・油断からくるトラブルというものはあります。
だから油断せず、注意しなくてはいけません。
しかし人間ですし、常に意識するということもできません。
抜くところは抜かないと、逆に注意力は散漫になってしまいます。
抜くところを知るには、全体像を把握し、タイムスケジュールを抑えることで可能になります。
それが分かると緩急がつけやすい。
働いている限り、そういうことを意識し続けないといけません。
そう考えると辛くなってしまいます。
特に休み明けは。
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