2025年01月15日

プロの失敗

promis.JPG

●(『頭が突然鋭くなる瞑想法 ― ブッダが悟りをひらいた人類最高の英知 (スマナサーラ長老クラシックス)』(アルボムッレ・スマナサーラ 著)より


ところが、このプロと言われる人たちにも失敗があります。


というよりも、失敗というのはプロの人たちにこそ多いのです。
あれはどうしてでしょう?


------------


何十年という経験を積んだタクシーの運転手が、事故を起こす。
これもプロの失敗ですね。


かなりの腕前の人がやって失敗する。
失敗というのは、プロのほうが多いのです。


-----------


電車やクルマのベテランの運転手は、なぜ失敗するのでしょうか。


それは、傲慢さが出るからです。


こんなこと何年もやってきたのだ、かんたんなものだ、目をつぶってもできるさ、というふうにバカにしてしまうのです。


------------


つまり観察することを忘れてしまうのです。


プロと言われる人が、もっとも重要に考えてやってきた“観察”を忘れてしまう。
慣れたもんだよ、こんなこと見なくてもできますよ、と傲慢な気持ちが出てそこで失敗してしまう。  


前に言ったでしょう、どんなに同じような現象であろうと、同じ作業、同じ行為であろうと、人生に二度目というものはないのだ、と。


すべて新しい、はじめてのできごと、体験なのです。


------------


それははじめてのできごとなのです。
それを、なんだ昨日と同じだ、と思ってしまうと、そこに緊張感がなくなって観察能力がゼロになって、つまりおもしろさを感じなくなってしまうのです。
バカになってしまうのです。


「あっ、おもしろい」という発見がなくなると、単純なミスを犯すような失敗が出てしまうのです。


-----------


日本の禅の諺にたいへんいい言葉があります。


それは一期一会という言葉です。


一期一会の精神を忘れた人には、人生おもしろく生きていくことなんてできません。


------------


とにかく、焦ってはいけません。
焦ってものごとを早くやろうとすることは、理性ある鋭い頭を持った人々にはぜったいの禁止事項です。


これらはすべて無知につながってしまうことです。
すべての事象を一生観察すること、それに尽きるのです。
それが念入りにやることにもつながり、念を入れてやるということはそういうことなのです。


※※※※※


【コメント】


クルマの運転も、日常の運転も、慢心・油断からくるトラブルというものはあります。


だから油断せず、注意しなくてはいけません。
しかし人間ですし、常に意識するということもできません。


抜くところは抜かないと、逆に注意力は散漫になってしまいます。


抜くところを知るには、全体像を把握し、タイムスケジュールを抑えることで可能になります。
それが分かると緩急がつけやすい。


働いている限り、そういうことを意識し続けないといけません。
そう考えると辛くなってしまいます。
特に休み明けは。

Posted by kanzaki at 2025年01月15日 06:56