●『すべての罪悪感は無用です (扶桑社BOOKS)』(斎藤 学, [構成]木附 千晶 著)より
人間が生きていくうえで欠かせない能力の一つに、「ひとりでいられる能力」があります。
これはイギリスの小児科医であり、精神分析家でもあったドナルド・ウィニコットが使った言葉です。
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ひとりでいられる能力は、母親の腕のなかで芽を吹き、育ちます。
子どもは母親にたっぷり愛され、見守られているという安心感を持つと、やがて徐々に母親の腕のなかから離れていきます。
腕からひざの上へ、そして部屋のなかを探検し、家のなか、さらに外へと、母親から離れて「ひとりでいられる」範囲を広げていくのです。
これができるのは、離れていても、いつでも母親は見ていてくれると信じ、「母親と共にいる」ことを確信している子どもです。
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子どもの頃にたっぷり甘えた子どもは、親離れもスムースで、さっさと自立していきます。
反対に、このような確信が持てない子どもは、ひとりでいることが不安で不安で仕方なく、いつもどうしようもない寂しさを抱えることになります。
「ひとりでいること=寂しさと絶望」であり、ひとりでいると、自分を愛してくれる存在がいることを信じられません。
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「ひとりでいられる」ということは、決して「ひとりで家に閉じこもっている」ということや、「他者を拒絶して生きる」ということではありません。
他人を前にしても、「自分がひとりでいる」ことを楽しめる状態なのです。
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ひとりでいられる」人は、ときにお酒を楽しみ、タバコを楽しみ、恋愛をし、他人との暖かい関係に温もります。
けれども、決してそれに依存し切っているわけではなく、それなしにも生きていける人です。
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【コメント】
精神的に大人じゃないと、一人という時間は楽しめません。
一人の時間がないと、成長する学びも出来ません。
現役時代は確かにその通り。
問題は、老後ですよね。
実際に経験していないから、持て余す程の時間をどう過ごすのか、よく分かりません。
結局、何かしら行動しているのかな?
一人で研鑽の時間を持ち、それを踏まえて何かしら社会と接点を持つ。
まあ、私がそういうことを考える時代には、70歳まで働いているのが当たり前で、生涯現役なのかもしれませんが。
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