●心が強い人はみな、「支える言葉」をもっている(著:齋藤 孝)より
1996年のアトランタオリンピックで、女子マラソン選手の有森 裕 子 さんは3位でゴールしました。
2大会連続でメダル獲得という快挙です。
そのときのインタビューに答えた言葉が「初めて自分で自分を褒めたいと思います。」でした。
前回の銀メダルには及ばなかったけれども、「終わってから、なんでもっと頑張れなかったのかと思うレースはしたくなかったし、今回はそう思っていないし……」と涙を 湛えながら語り、「初めて自分で自分を褒めたいと思います。」と結んだ姿は日本中の感動を呼びました。
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1996年の流行語大賞(ユーキャン)にもなりました。
それほどまでに人々の心をとらえたのは、単に感動的な言葉であるというだけでなく、当時の日本人が「自分で自分を褒める」というあり方を求めていたということでしょう。
2018年に内閣府が実施した日本を含めた7カ国への調査では、「自分自身に満足しているか?」の質問に対して、日本で「そう思う」「どちらかと言えばそう思う」と回答した人の割合は、たった4割程度。
他の6カ国は 70 〜 80%
2017年に国立青少年教育振興機構が日本、アメリカ、中国、韓国の高校生を対象に調査したところによると、「私は価値のある人間だと思う」と答えた日本人は4割強で、やはり他の国の8割程度と比べて極端に低い結果でした。
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自分で自分を褒めるとき、重要なのはプロセスです。
自分よりもっと速い選手がいることはどうにもできないけれども、 いまの自分のベストを尽くすことは自分一人でできる、それができたかどうか、ということです。
インドに伝わるヒンズー教の聖典『バガヴァッド・ギーター』には、「行為の結果を捨てよ」といった言葉が出てきます。
何かをした結果、成功するか失敗するかは自分ではコントロールできません。
大事なのはプロセスに集中することであって、結果に執着するな、それが「知性のヨーガ」だというのです。
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そこまで過酷な闘いでなくても、 理想や目標に向けて頑張っている中で、くじけそうになるときはあるでしょう。
そんなときは、自分で自分を褒めることです。
何か小さなひとつでいいから「これだけは悔いのないようにやろう」というものを決めて、クリアしたら「今日はいい日」とする。
「自分で自分を褒めたいと思います」ということにするのです。
ダイエットなら、マイナス5キロといった結果にフォーカスするのではなく、「 30 分間ウォーキングする」「 21 時以降はお茶だけにする」といった課題をクリアすればいい。
手帳を使えば簡単に、続けやすくなります。
自分で四角いチェックボックスを書いて、課題をクリアしたらチェックを入れます。
「今日はよくやった!」という気分です。
声に出して褒めるのでもいいですが、文字に書き残すと次への意欲につながります。
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他人に褒めてもらえなくても、全然かまわないのです。
人に褒めてもらいたい、励ましてほしいという気持ちは、強く表に出ると良い結果を生まない ものです。
アピールしても褒めてもらえないと、不機嫌になったり落ち込んだりするものだから、周りの人は距離を置きたくなってしまいます。
何かと相手にしてほしい「かまってちゃん」は、まず自分で自分を褒める習慣をつけるといいでしょう。
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【コメント】
自分で自分を褒める習慣。
これは、ストレスフル社会を生き抜く処世術ではないかと思うのです。
しかも、誰も傷つけないし、自分一人で出来るものです。
SNSの「いいね」による他人評価で自分の価値を測るより、よほどいい。
それは自分軸で生きているから。
わがままとは違う。
日々の積み重ねによるものだから。
記録するのはよいですね。
自分の努力が数字・文字で残りますから、達成感があります。
手帳での記録が苦手な人は、スマホで記録してみると良いですよ。
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