私は何故か、贅沢にも二つの部屋を自室として使っています。
寝るときは和室の方ですが、何か本を読んだり、テレビを観たりする時は、洋室の方を使います。
その洋室の真ん中に、古い木製の「ゆり椅子」があります。
昔の家具って、独特の曲線フォルムを描いており、実用的ではないのでしょうが、素材の木が持つ温かみと共に、私を優しく包み込んでくれるように感じます。
これは生前、私の祖母が使用していたらしく、それを母が譲り受け、いつの間にやら私の洋室へ移ってきました。
こういう背もたれのある椅子というのは、慣れないとかえって身体が疲れるものです。
しかし今では、時間が経つにつれて使い方が分かってきて、身体を椅子に任せられるようになり、自然な軽い前後の揺れが心地よく感じられます。
老後、昼過ぎの陽気な時間、この椅子に座りながら本を読んでいる自分姿を想像してしまいました。
いつの間にか、うとうとと眠ってしまう私。
そして孫が駆け寄ってきて、眠っている私をさすって起こそうとします。
しかし私は身体を動かすことなく、その安らかな表情のまま、二度と目を覚ますことはありませんでした・・・。
派手な終わり方は好きじゃありません。
私はこんな最後を迎えたいですね。
果たしてこのゆり椅子は、私の人生で座る最後の椅子となるのでしょうか・・・。
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