2003年04月26日

予備校、高校

公立高校に変化があるらしい。

NHKの「クローズアップ現代」を見ていた時のこと。
とある都立高校では、学校が週休二日制度になって空いた土曜日を利用して、大学入試の為の講義をしているそうです。
公立高校は私立と違い、基本的に受験指導というものには消極なものです。
しかしそこで授業を受けている生徒達は、学校の授業だけでは物足りなく、予備校等に通って受験対策をしているのが現状です。
紹介されていた学校では何と、その土曜日の受験対策講義の指導者として、予備校の先生を採用しているのです。
講義自体は予備校の教室を利用し、授業が終わるたびに受講した生徒達にアンケートを取り、あまり充実した内容でないと思われたら即、別の先生に切り替わるシステムなのだそうです。
授業のプロである高校の先生達も、校長先生が決めた方針に納得している訳ではありません。
自分達の生徒の指導は自分達で行いたいと思っているのです。
そこで学校の先生達も、土曜日という空き時間を利用し、受験対策の講義を開講したのでした。
ただし先生によって、その講義の姿勢は少しずつ違います。
中には、本屋で売っている受験対策の参考書や問題集を買いあさり、予備校の先生のようなスタイル・・・つまり、「合格する為のテクニック」を教えている先生がいます。
また別の先生は、「受験対策の講義では無く、あくまでも理解力を深める授業」というスタンスで教えています。
つまり、学校のいつもの授業の延長線上にあるものですね。
生徒達にしてみれば、この土曜日の講義として四つの選択肢が出来ました。

1.学校が用意した予備校の先生の講義
2.学校の先生が教える受験テクニック中心の講義
3.学校の先生が教える、授業の延長線上にある理解力を深める授業
4.学校と全く関係なく、自費で予備校に通う

さて、生徒達は一体、どれを選択したのでしょうか?
結果は、生徒の大半は4番を選択しました。
生徒にしてみれば、「合格しなければ、いくら理想論を並べても意味が無い」わけでして、最初から結果は分かっていたようなものでした。
学校の先生方にもプライドというものがあります。
しかし、そこは聖職者。
生徒の立場を考えると致し方が無いと理解しました。
そしてその後、ちょっと変化がありまして、学校側が用意した予備校の先生の講義の後ろで、高校の先生も立ち会うようになりました。
そして、その授業で遅れをとった生徒の横に立ち、「ここはこういう事なんだよ」とフォローをするのです。
受験テクニックというものは、いろんな方法で得ることができます。
しかし、生徒達が学校と予備校の授業に挟まれ、どうやって勉強を進めていけば良いか悩んでいる時のメンタルな指導、これらを担うのは自分達なのだと奮戦しております。

番組を見ていて、都立・公立高校というのは受験対策にあまり熱心で無いことを始めて知りました。
私は高校時代、私立の進学校へ通っていました。
だから、授業プログラムも受験対策そのものでした。
例えば、数学に関しては一回の授業を行うのに、通常の二回分の時間を使います。
倍のスピードで授業が進む訳です。
そして早く終わった分、更に数学でも細かい分野の方へ進み、受験に対応するようにしたのです。
普通、授業というのは、一つの教室の同じ席で行われ、先生達が入れ替わり立ち代りで授業が進むのですが、この学校の場合、自分が選択した科目の授業を行っている教室へ自分で行くのです。
一人一人選択科目が違うので、クラス全員が集まるのなんて、朝と夕方しかありません。
だから、あんまりクラスの仲が良いとは言えません。
毎年クラス替えがあるのですが、二年は文系と理系、どちらの大学へ行きたいかで代わります。
三年では私立大学へ行きたいか、国公立大学へ行きたいかで、またクラスが代わります。
おかげで、高校時代の人間で未だに付き合いのある奴なんていません。
授業を教える先生の中には、代々木ゼミナールの講師とかもいました。
もう何でもあり。
とにかく大学へ進ませる為の高校とは名ばかりの予備校状態でした。
今はどうなんでしょう。
少子化、ゆとり教育のおかげで、ちょっとはマシになったのかな?
それとも、テレビで都立高校ですらこんな状態ですから、もっとひどい事になっているかも。
卒業して随分と経過するのですが、今の私が言えるのは、「機会があったとしても、あんな学校になんて行きたくねぇ」という事です。
もう先生の名前どころか、顔すら覚えていないもの。

Posted by kanzaki at 2003年04月26日 18:43
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