また一つ歳をとってしまいました・・・「とってしまいました」では何だか元気が無いので、「とってやったぜ!」と言ってみますか。
先月、アメリカで行われたダンスの世界大会の「リリカルの部」にて、地元新潟市公立の中央高校(女子高)が優勝しました。
このダンス部の顧問をやっていらっしゃるのが、外山陽子さん(59歳)。
形の美しさや技術だけでなく、一つ一つの動きに気持ちを込め、内面的感情の表現を追及しています。
練習自体だけでなく、礼儀作法にも厳しいのがこの部の特徴。
しかし部員達の表情は生き生きとしていて、外山さんの情熱を心身ともに受け止めています。
私はこの事について、たまたまNHKの地方ニュースを見ていて知りました。
ダンス部に入部してくる子達は、殆どがダンス未経験者。
しかし1年もすれば、その動きは正にダンサーです。
毎年、何かしらの賞を受賞しているこの部ですが、今年のアメリカ大会は、ちょっと意味合いが違っていました。
当初、この大会への出場を棄権する方向で動いていました。
戦争が原因です。
しかし、みんなの情熱が伝わり、学校側から出場の許可を得た時の部員達の表情は、それはもう嬉しさで泣きじゃくり、見ていて「良かったねえ」と思いましたよ。
見ていて印象に残ったのは、部員達の目です。
遊びの中へ逃げ込む馬鹿女が多い中、あの目の輝きは新鮮でした。
その目の輝きは、入部して最初に外山さんの説明を受けている時から発していました。
この目の表情は、現実社会でもテレビの中でも、ここ最近見たことがありません。
努力して技術と精神を学び、やがてそれが成果となるストーリー。
技術の進歩、教育改革の中で失われていたモノを感じずにはいられません。
外山さん自身、実はダンサーでも何でもありません。
顧問になってから、いろいろと書物を読んだり、大会を見たりして、我流で教育方法を身につけたのだそうです。
「一流の選手が、一流のコーチになれるとは限らない」と良く言いますよね。
一流の選手と言うのは元々素質があり、苦労せずとも基本的な所を簡単にマスター出来てしまいます。
だから、その基本を他人に教える際、どうやって伝えたら良いのか分からないのです。
伝えるには理論的に言葉で説明しなければいけません。
外山さんは、自分が一流のダンサーになる為でなく、教え子が一流になる術を見につけたらこそ、アメリカの大会で優勝へ導いたのでしょうね。
ダンスの学校と違い、生徒達はたった3年間で技術を身に付けなくてはいけません。
しかも中央高校と言えば、偏差値の高い進学校です。
勉強と部活の両立。
その為には、精神的な指導が必要です。
ダンス教室の先生、予備校の先生との大きな違いです。
きっと外山さんは、「ダンスを勉強をしない事の理由にさせない指導」というものをされているのでしょう。
この歳になると神崎自身、「先生」「師匠」と呼べる人がいなくなってきました。
もう教えてもらうよりも、教える機会の方が多いですからね。
無いモノをねだっても仕方がありません。
それならば我流でいいから、興味のあるモノを研鑚した方がいいですよね。
賢者は、道を求めている者にその手を差し伸べるものです。
無意味な生活をせず、歩みは遅くとも、その足を前へ向けて進めば、良い師匠に巡り合えるような気がします。
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