2003年04月10日

有事の際

昨日突然、お昼休みが終わった直後、会社に株主様が来られました。
見た感じ、悪役商会に所属していて「仁義無き戦い」にでも登場してきそうな人でした。
とある会社の社長なのですが、紙包みを取り出すや「この株券をすぐに現金にしてくれ」と言うのです。
当社の株主様の株券でして、来られた方はその息子。
株主様は既に他界していたのですが、そのままの名義にしていたそうです。
当社のように上場もしていないし、株式の譲渡に制限を設けている会社は、株式の売却・譲渡をするには取締役会の承認が必要です。
実際の取締役会は後日になったとしても、少なくとも会社のトップまで事前に了解を得ていないといけません(ちょうどその時間、トップが不在でした)。
すぐには現金化出来ない事を話すと、そこを何とかしてくれよと押し迫ってきます。
明日以降では駄目なのですかと聞いたところ、今日中じゃないと駄目だと。
一向に引き下がらないので、課長にも同席してもらったのですが、それでも駄目です。
その方の会社と当社は、少なからず関係があるので、役員に口答ではありますが了解を得て、その場で現金をお渡ししました。
県下でも最大手の会社が倒産した煽りを受けて経営が苦しくなっているのだそうです。
それに加えて、身内の入院。
いろいろとお金が必要なのだそうです。
こちらも鬼じゃないのだから、午前中に電話だけでもいただければ穏便に事を運んだのですが・・・。
何はともあれ、その場は解決したものの、課長はそのおかげで胃が痛くなったようで、私の机の中にデフォルトで入っている胃腸薬を差し上げました(課長、すみません)。

しかしあれですね。
人間、切羽詰まった際の迫力というのはすごいですね。
何があっても、道理に従ってはいないとしても、己の実現の為には一歩も引かない姿というのを初めてみました。
社長ともなると、自分の家族だけでなく、従業員とその家族、取引先の会社もろもろ、いろんなモノをしょいこまなければいけません。
社長というのは、給料をたくさん貰っていていいなあ・・・等と気軽に思っていたのですが、この凄まじいまでの態度に、私はその立場になったとしても、逃げ出してしまうかも・・・と思った次第でして。

私の心の中には、何かあった際に、とてつもなく燃え上がり、アドレナリンを沸騰させて動き回るほどの力というのはあるのでしょうか。
今回、そういう状況の人の姿を初めて見て、いろいろと考えることがあるなあ。

Posted by kanzaki at 2003年04月10日 18:51
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