2003年03月24日

強い人

アカデミー賞で、「千と千尋の神隠し」が受賞しました。
ディズニーという巨大な力のせいで、受賞は無理だろうと言われていただけに、この受賞には大きな意味があります。
どんなに大きな力の前にも、「真の実力」は向かうところ敵無しというところでしょうか。
良いモノは、認められるものなんですね。
(私は、魔女の宅急便、トトロの方が好きですが・・・)
監督は、受賞に際してのコメントで、この戦争の状況下に受賞を素直に喜べないのは残念だと言われていました。
今回のアカデミー賞で、世間が注目しているのは、受賞の際のコメントでしょう。
どうやらアカデミー賞では、政治的な発言はご法度らしいです。
今までも、戦争の起こった年にこのイベントは行われましたが、攻撃の真っ最中というのは始めてだったかと思います(前の戦争では、攻撃そのものは終わった後に実施された)。
政治家が言う言葉と違い、大物俳優、女優による発言というのは、民衆に多大なる影響を及ぼします。
それが故に、発言を控えたり、出席そのものを辞退する方もいらっしゃるでしょう(プレゼンターのウィル・スミスは辞退したみたいですね)。
もしあなたがその立場だったらどうします?
世界は壇上に立ったあなた1人に注目しています。
手に握り締められたトロフィー。
それは、あなたが世間に対して数十秒間、メッセージを発信できる権利証です。
歓喜の中、両親、スタッフ、神様に感謝をする言葉で締めくくるのも良いでしょう。
きっと皆さんは拍手喝采であなたを褒め称えます。
もし政治的発言、大統領批判をした場合・・・いろんなリスクが考えられます。
私には無理だと思います、きっと。
たった数十秒のコメントで、批判の的にされたくないですもの。
高い所にハシゴで上り、そのままハシゴをはずされた状態にされるのは怖いですから。
臆病者と言われるかもしれませんが、そういうメッセージは、自分が生み出す作品の中で表現すれば良いと考えています。
なんだか長い間生きてきて、「直接的な批判は、解決を生まないんじゃないか?」という事に気づきました。
直接的攻撃を受けて、良い気分になる人なんていません。
人間相互理解の為には、お互いの笑顔が必要なんだと思います。
笑顔を向けられて、嫌になる人なんていません。
相手に対し、良い印象を持つと、相手の話しを聞こうという姿勢になります。
対する相手側も、ちゃんと相手が聞いてくれるならば、こちらも誠意をもって、丁寧に説明しようと心がけるものです。
お互いが穏やかな精神状態で、理路整然とした会話が繰り広げられれば、割かし会話というのは良い方向に行くものだと思います。
政治の世界、大人の世界というのは、いろんな表に出てこない巨大な力が存在し、なかなかスムーズに行きにくいところがあります。
けれどね、今回のアメリカの姿勢って、そういうものを考慮しても、ちょっと大人気ない気がするんです。
何で、一等賞になろうとするんでしょうね。
何で、力で相手を屈服させようとするんでしょうね。
今回の戦争の元をただせば、貿易センタービルのテロ行為だと思うのですが、遺族の方々は、こんなんで喜ぶのでしょうか。
「悪いことをした→死刑」という短絡的な方程式に思えます。

ねえねえ、ブッシュさん。「ドラえもん」に登場するジャイアンというガキ大将は、いつもはみんなをいじめているけれど、劇場版の作品の中では、すっげえ良い奴になるんだよ。

Posted by kanzaki at 2003年03月24日 20:36
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