2004年03月15日

同じ輪の中をループするだけの世界

↑↑↓↓←→←→BA

上のコマンドを見て、グラディウスの裏コマンドだと気づく人は、オッサンゲーマー。

ファミコンの2プレーヤー側のコントローラーは古くなってくると、マイクのボリュームがおかしくなり、音量を0にするとノイズが出るので、中間ぐらいの位置にボリュームのツマミを動かしていた人も、オッサンゲーマー。

スペランカーの主人公がゲーム至上、最も貧弱キャラクターだと思っている人も、オッサンゲーマー。


そんな訳で、古いゲームを語りだすと果てしなく続きそうなのですが、昔のゲームには思い入れがありすぎて、同時期に体験をした人同士で話すと、かなり内容の濃いものになります。
最近の調査では、「自宅でテレビゲームをする」と答えた小学生の割合は少なくなってきているそうですよ。
大人の方が、かえってやり込んでいるのかもしれません。
そういや、仮面ライダーやガンダム等に夢中になっているのも、大人の方かもしれませんね。
時間は少ないかもしれませんが、お金はたくさんかける事が出来ます。
近所のホビーショップでは、客の殆どが20代以上。
玩具をクレジットカードで買い、子供ではなく自分が遊ぶのが目的。

インターネットで活躍している人を見ると、上記のような事に夢中になっていた世代とかぶりますよね。
そういう意味じゃ、今の世の中は、ファミコン世代の人達が楽しめる時代になっているのかもしれません。
というか、その人達が、そういう世界に作り上げているのでしょう。

でもね。
何かこう、その世界の作り方に疑問があったりするんですよ。
自分が好きだったもの、興味のあったものがあります。
それは、自分達より大人の世代が造ったもの。
それに憧れていた世代が大人になり、何を造ったかというと、実はそれは、幼少の頃に遊んだもののリメイク。
全く新しいものを生み出すという事はせず、自分が好きだったものを自分の手で蘇らせ、その輪の中で楽しんでいるように見えます。

何もゲームだけじゃありません。
映画やテレビ番組も、過去の作品を現代の最新技術で蘇らせているだけ。
鑑賞していても、「これって、どこかで見たことがあるよなぁ」と思ったりする機会は、一度や二度ではありません。

今の時代は、素敵だと思いますよ。
小さい頃に憧れていた事を大人になってから実現することが可能な世界。
でも、同じ輪の中をループするだけの世界。
それが心地良いから、その輪から抜け出そうなんて思いもしない。
私たちは、全く新しいものを造りだす力というものを失ったのかもしれませんね。自分も含めて。

自分もその世代の人間です。
だから、その楽しさも分かるつもりです。
でもね、その楽しみの最中でも頭の片隅では、過去に似たような記憶を探り当て、結末をある程度予測しています。
しかもその予測と現実が同じだという確率がかなり高い。
「感動」って、「ビックリ箱」のようなものだと思うんですよ。
自分の思いも寄らない展開が巻き起こるからこそ、最後の結末に驚き、ずっと心に残っている。
これが、リメイクばかりだと、「良質」ではあるでしょうが、記憶に残らず終わってしまう。

世の中を見ていると、一つが流行ると似たようなものが、どんどん増殖してきますね。
ここ最近で気になるのは、「桜」をモチーフにした楽曲。
昨年ヒットしたシングル曲の影響でしょうか、次から次へと似たようなものが出できます。
それを受ける側も、「同じ輪の中をループするだけの世界」に慣れているから、「同じようなものをもっともっと見てみたい」と衝動にかられます。
しかも、短期間で一つを消化しきってしまうので、また直ぐに似たようなものを探し求める。
造る側も、全く新しいものを造るよりは、ヒットしたものを研究して造りだすほうが楽なので、どんどん提供する。
今の世間の消費動向は、この「同じ輪の中をループするだけの世界」になっているように思います。

本当に感動するものは、消耗品のように、そんなに簡単に代用品が見つかるものじゃないのにね。
だから私は、大学を卒業したと同時に、ゲームを卒業しました。
「同じ輪の中をループするだけの世界」から脱却したいからです。
同じように、生活の至る所で、ループから抜け出そうと模索しています。
どこが出口か分からないのですが、がむしゃらになって抜け出そうという力は、決して無駄にはならないと思っています。

Posted by kanzaki at 2004年03月15日 22:24
コメント
コメントする
名前(ニックネーム可)とメールアドレスは必ず入力してください.
メールアドレスは管理者にのみ通知されます.










名前、アドレスを登録しますか?