2004年03月17日

進化の真逆

「ケータイ盗撮防止シール」というものがあるそうです。
そのシールを携帯電話のカメラ部分に貼っておき、写真を撮らないように封印するというもの。
シールを一度でもはがすと、それが跡になって残るので、すぐに分かってしまうのです。
最近じゃ、会社の秘密を漏らさない様にと、カメラ付きの携帯電話を社内に持ち込み禁止にしているところもあるとか。
けれど、カメラの付いていない携帯電話を探す方が難しい世の中です。
そんな中、ハイテク満載の携帯電話をローテクな技術で盗撮防止をする発想が面白いですね。

時代とともに、様々な商品が進化をし続けています。
しかし、行き過ぎた技術は、かえって人から嫌な顔をされることもあります。
上記の携帯電話のカメラなんかがそうですね。
盗撮とか、デジタル万引きなんていう弊害も生み出しています。

また、テレビ番組の録画技術でもその傾向が。
最近じゃ、パソコンのハードディスクで高品質で番組を録画し、それをネット上に違法配布してしまう輩が後を断ちません。
一度、デジタル化にしてしまうと、簡単に編集したり、ネット上に公開したり、DVD-Rに保存したりと、昔では素人には難しい事が簡単に出来てしまいます。
しかし、著作権の網に引っかかったせいで、最新のテレビ技術である「デジタル地上波放送」では、一度、ビデオに録画すると、それを他へ複製する事ができないようになっています。
あまりにも著作権にがんじがらめにされたお陰で、楽しさが半減してしまっている状況です。
せっかく便利になる為に進化し続けているはずなのに、かえって人の生活を不満にさせてしまうのは不思議な事ですね。

ダイエットだってそうです。
美味しい物を食べた結果、ぶくぶくと太ったのに、それを辛い試練で今度は減量をしようとします。
簡単に美味しい物が手に入るという便利さに進化した街なのに、その恩恵とは全く正反対のダイエットをする不思議な人々。

シンプルライフ、スローライフという生き方が、私は大好きです。
これはある意味、昔の生活に戻してみようという考えが根底にあります。
その昔の生活様式が嫌で、自ら都会的で機能的な生活を送れるように社会全体が進化していったのに、それに逆行するように、昔ながらの田舎での暮らしに憧れて、それを自分の生活に取り込もうとしている人がたくさんいます。
これもまた、進化の真逆ですね。

人間は幸せになりすぎると、何故か、自分には絶対に支配できないような存在を欲しがるところもあります。
例えば、従順じゃないペットを飼うこともそんな感じだと思う。

パーフェクトな物事にするには、それを扱う人間も進化しないといけないのかもしれませんね。
でも、そういうチグハグな行動をするところが、人間らしいと云えば、人間らしい。

Posted by kanzaki at 2004年03月17日 23:36
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