2004年04月19日

母子家庭の経済状況

病気や自殺などでお父さんを亡くし、今年の春に高校へ入学した遺児の母子世帯の勤労年収は、138万8000円だそうです。
5年前の約200万7000円に比べて31%も減っています。
この年収は、一般世帯の31%相当に当たります。
かなり少ないですねぇ。
実際は、遺族年金や生命保険等が生活費へ充当されますが、それでも少ないのは事実です。

収入を上げようと働き口を探そうにも、この不況の最中、そこそこの給料を貰える会社を見つけるのは困難です。
子供を抱えた母親の働き口が、パート以外になかなか見つかりにくい状況です。
大学を新卒の新入社員ですら難しい時代ですからね。
母親が二つの働き口で働いているケースも少なくはありません。
それでやっと、ご飯が食べられる状況。
非常に不安定・過酷な中での生活なので、もし万が一、病気や事故にあった際、その生活すらも保障がありません。

上記の理由の他に、離婚によって母子家庭になったケースもあるでしょう。
そういう場合、慰謝料や、毎月の子供の養育費が、元夫から支払われる訳ですが、それも数年で終了してしまうケースも多いらしい。
なぜなら、夫の方も家庭を新たに築き、そちらの生活費で手一杯で、とても離婚した相手にまでお金を払う経済的余裕が無いからです。

父子家庭ではどうでしょう?
父子家庭は、経済的には大丈夫だと思われがちですが、中には子供の為に、定刻で帰宅できる会社へ転職をするケースもあります。
そうすると、経済的には以前より厳しくなります。
また、経済的には何とかなっても、男親の場合、子供を育てる事に不得手で、面倒をちゃんと見きれない場合もあります。
例えば、4月も半ばを過ぎたのに、未だ子供の服が冬服のままだったり・・・。

家庭の経済的事情から、大学進学を諦めている子達も少なくはありません。
しかし、高卒で社会へ出ても、これもまた就職先が限られてきて、なかなか難しいものです。
別の調査によりますと、高校を卒業して最初の就職先がパートである女性の率が4割近くにも上っているそうです。
パートは一般的に待遇面が低く、仕事の内容も複雑なものを任されにくい傾向にあります。

大学はそれなりの経済力がある人が行くところになってしまっているのでしょうか?
いえいえ、そんな事はありません。
奨学金という制度もありますし、大学でも上位の成績にいれば、学費の免除がされるシステムもあります。
本人のやる気次第で、幾らでも行こうと思えば行けるのです。
実際、私がそうですから。
幾つかの奨学金を借りていたので返済は大変ですが、大学へ行った事は自分にとってプラスだったと思うし、おかげで普通の社会人として今に至っています。
高卒で社会へ出ていたら、おそらく今の自分とは違った生活環境、性格になっていたと思います。

家庭環境は、その人の人格形成に大きな影響を与えます。
学生時代に、死別・離婚等の家庭環境で育ち、何かしら性格にマイナス要因が植え付けられたとしても、社会に出てからの環境の変化で、幾らでも性格なんて変わっていくものだと思います。
私は学生時代、かなりヒネくれていたと思うのですが、少なくとも、経済的理由で大学へ行かないという「言い訳」は作りたくなかった。
絶対に行くべきだと思っていました。

一時、私は性格が歪み、自分自身、それを直さねばと思った際に行ったのは、日記を書くことでした。
要は、今の神ナナのような文章です。
そうすると、ネタを仕入れるのに視野を広げ、アンテナを張り巡らさなくてはいけません。
性格が歪むと視野が狭くなって、自分の世界にこもりがちですが、それを強制的に直すのには、これが一番良かったです。
そうやって自分の視野を広げていると、自分には欠けているモノがたくさんある事に気づきます。
それが、自分が成長するキッカケとなっていきました。

そんな訳で、母子家庭というだけで卑屈になる必要もないし、そんな卑屈になった人間を社会は求めていません。
よく云われる事ですが、状況を打破する際、他人を強制して変えていくよりも、自分を変えていく事の方が効率的で、しかも効果が高いです。
状況のせいにせず、まずは自分を変えていく事を自分と同じ境遇の若い人達に伝えたいです。

Posted by kanzaki at 2004年04月19日 07:00 | トラックバック (0)
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