2006年11月28日

チャーハンの白いかたまり

小学生を対象にした作文コンクールがありました。
最優秀賞のタイトルは「チャーハンの白いかたまり」。
小学6年生の男の子が書いた作品です。

家で何か料理をしてきなさいと家庭科の宿題が出たそうです。
お母さんに相談して、チャーハンを作ることになりました。

出来上がってからお母さんは、昔のお話をしてくれました。
この子の、おばあちゃんについてです。
おばあちゃんは、幼い自分の子供たちを育てるため、農家の仕事を毎日毎日一生懸命働いたそうです。

おばあちゃんは料理が得意なのですが、チャーハンには、白いかたまりがあったそうです。
つまり、フライパンで炒める際、白いご飯のかたまりが、よくほぐれていないのです。

おばあちゃんのチャーハンには、白いかたまりがあるけれど、適当に作ったからではなく、忙しい時間の中で一生懸命みんなのために作っていたのだと、お母さんは息子に説明しました。

おばあちゃんは時間の無い中、みんなのお腹を一杯にするため、がんばって作ってくれた。
おばあちゃんのチャーハンの白いかたまりは、がんばりの印なのです。

この少年は、おばあちゃんの凄さに感心したと同時に、おばあちゃんの凄さを発見したお母さんにも尊敬の念をあらわしています。
自分も、人の心がわかる人になりたいと決意しています。

しろいかたまりのチャーハンを通して、農業を営む大変さ、忙しさ、人の生命をあらわしているところが凄いです。

食事というのは生きるうえで無くてはならないもの。
喜怒哀楽がめまぐるしく変化する人の人生ですが、どんな時だって食事をしなくてはいけない。
生きることに直結するからこそ、食事を通したエピソードはリアルに読者に何かを訴えかけてきます。

掲示板「2ちゃんねる」の「食べ物板」に、「思い出に残る食事」と云う良スレがありました。

●思い出に残る食事
http://www.geocities.co.jp/Foodpia/3640/tabemo08.htm

・思い出に残る食事 (単行本) ←私、この本を持っています
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4901784226

こちらもまた、生死と直結している食事だからこそ鮮烈で泣けてきます。

料理のおいしさだけでなく、それを通じて人の情けを語りかける漫画と云えば「美味しんぼ」。
その17巻に「代用ガム」と云うエピソードがあります。
詳しくは、下記のサイトで。

●美味しんぼ第17巻「代用ガム」
http://www.asahi-net.or.jp/~an4s-okd/private/bun/man0091701.htm

これもまた、「チャーハンの白いかたまり」のように、貧しいながらも子供を愛する親を料理を通して描いています。
私はアニメで見たとき、とても感動して今でも鮮明に記憶しています。

ふと、「昨晩の夕食ってなんだったっけ?」と思い出そうとするのですが、なかなか出てこないことがあります。
それどころか、今朝、何を食べたかを忘れている時だってあります。
思い出に残るような食事と云うのは、一生に食べる食事の中のほんの少しかもしれません。

でもね、思い出に残ろうと残るまいと、あなたの為に毎日食事を用意してくれる親御さんや奥さんの存在を忘れてはいけませんよ。

おばあちゃんはこう云っていた、
どんな調味料にも食材にも勝るものがある。それは料理を作る人の愛情だ。

〜仮面ライダーカブト-天道語録より
http://www.tv-asahi.co.jp/kabuto/11_tendo/index.html

良いエピソードは、探すものではなく実践するもの。
明日の朝、自分のために料理を作ってくれた人に、笑顔で感謝をあらわしてみてくださいね。

Posted by kanzaki at 2006年11月28日 22:44