2007年01月08日

朝、目覚め、仕事あればこそ至福

今日は成人の日。
きっとニュースにて、各地の成人式で起こった新成人の騒動を報道するでしょうね。
これもまた風物詩。

1989年 (今から18年前)の今日、元号が「昭和」から「平成」に改元されました。
内閣官房長官の小渕恵三氏が、「新しい年号は、平成であります」と云いながら新年号を墨書した台紙を示す記者会見は、今も記憶に新しいです。
まあ今にしてみれば、その年号が意味する書経の「内平外成」は、21世紀の日本をある意味、皮肉った感がありますね。

さて、団塊引退元年とも呼ばれる今年2007年。
若い人達からは年金泥棒のように云われ、投資信託業界等は、その巨額の退職金をビジネスチャンスにと熱い視線を送っています。

私はこの年末年始、6日ほどお休みをいただきましたが、その後の初出勤は辛かったです。
リズムが崩れた生活から一転、朝6時に起きる生活。
初日の朝、目覚まし時計と携帯電話のアラームの二重攻撃をくらい、なんとか布団から抜け出したものの、やはりその一日はボーとしていました。
今週からが本番みたいなものですが、いきなり事務処理が大量にあるので、果たして体が持つか心配です。

年末年始の短い休暇ですらこの有様。
もし自分が年老いて会社を退職し、「毎日が日曜日」状態になった場合、果たしてまともに生活できるのやら・・・。
多分、ボケるのも早そう。

私の会社を退職した人達を見ますと、退職して2か月ぐらいは、今までやれなかった事に取り組んで充実した毎日を送っています。
しかし、その後が問題。
趣味などが無い人達は、何もやることが無いので、辛い毎日を送っているとか。

やはり、仕事以外に何か生きがいを持つか、定年退職した後も、何かしらの仕事に就いている方が良いみたいです。

定年退職と云うものが無い職業があります。
クリエイター系の職業なんて、最たるものじゃないでしょうか。
「就職」と云う概念も無ければ、「退職」と云う言葉も無い(「デビュー」と「引退」と云う言葉ならばありますが)。

「密命」シリーズ等で有名な作家の佐伯泰英さん。
現在、64歳になります。

●佐伯泰英 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BD%90%E4%BC%AF%E6%B3%B0%E8%8B%B1

佐伯 泰英(さえき やすひで、1942年2月14日-)は、日本の小説家、写真家。北九州市生れ。日本大学芸術学部映画学科卒。
1971年より74年までスペインに滞在。のち、スペインを題材にしたノンフィクション『闘牛士エル・コルドベス 1969年の叛乱』『闘牛はなぜ殺されるか』、小説『ゲルニカに死す』を発表。冒険小説や、国際謀略小説を書く。
1999年、初の時代小説『瑠璃の寺』(文庫『悲愁の剣』の原題)を発表後、「密命」シリーズをはじめ、数々の人気シリーズをかかえる人気時代小説作家となる。闘牛士を追う写真家としても有名。

ここ数年、書き下ろしの時代小説を年間15、6冊のペースで発表されています。
時代小説に転向して9年目になるそうですが、現在の生活リズムは以下のとおりだそうです。

・朝2時か3時に起きて仕事をはじめる。熱海の仕事場は、真下が海。波と船のエンジン音が音楽代わり。

・散歩と朝食をはさみ、仕事は昼頃で一旦終了。

・昼寝をした後、午後は仕事をしても1時間30分ほど。

・夕暮れに二回目の散歩(一日に1万数千歩は歩く)。朝夕の散歩は、飼犬の散歩兼排泄時間でもある。

・18時ぐらいから軽く晩酌。飲んでいるとウトウトしてきて、20時ぐらいには寝ていることも。なので、睡眠時間は意外とたくさんある。

以上、頑なにこのペースを守っているそうです。
息抜きは何と聞かれると困るそうです。
無趣味道楽無し。
海を見ながら釣りもせず、川奈の半島をおぼろげに眺めながらゴルフにも関心がない。

スペインに精通する佐伯先生。
享楽を優先するラテン民族の友からは、そんな彼に「人生は楽しむためにある。お前は何のために生きているのか」と非難罵倒。

佐伯先生は、小さい声で反論します。

「朝起きて仕事がある、これに勝る至福はあろうか」

先生の今までの人生が、そういう考えにさせるのではないかと思います。
大学を卒業して30年ほど、不安定なフリーの生活。
この間、30数冊の本を出したが、増刷の言葉は夢また夢。
月末の家賃をなんとか払って、ほっとするような暮らしだったそうです。
それが、ようやく55歳を過ぎてから風向きが変わったそうです。

下戸の飲み手。遊び下手の物書きの唯一の逃げ場が仕事。
貧乏時代を思えば、仕事があるだけで安息が得られるのだそうです。

「人生とは何か?」

先生曰く、

「仕事の合間に我が飼犬の糞を拾い、僅かな酒に酔って眠ること」

だそうです。
ある意味、ストイックな生活ですよね。
けれど、先生にとっての至福の姿でもある訳です。
おそらくこの先、ボケることもなく、最後の最後まで作品を書き続けていくのではないでしょうか。

私はクリエイター系の仕事ではありません。
いずれ定年退職が訪れます。
その時に何をするのか?
これは、今後生きていく上で大きな課題ですね。
とりあえず分かっていることが一つあります。
神ナナの更新だけは、毎日しているのではないでしょうか。

私自身が「人生とは何か?」と問われれば、佐伯先生風に云わせてもらえば、

「特撮番組視聴の合間に我がサイトの更新を行い、大量のホットミルクを睡眠薬代わりに飲んで眠ること」

こんなところでしょうか。

Posted by kanzaki at 2007年01月08日 00:17