2007年03月14日

私の知らない日常生活

知り合いの奥さんには、小さなお子さんがいます。
生まれてまだ5か月。
誕生時は3キロの重さでしたが、あっという間に7キロになりました。

2月ぐらいから手が荒れる女性が増えています。
乾燥しているうえに、毎日、炊事洗濯などを行っているからです。

上記の奥さんも手が荒れてしまい、血が滲むことがあるそうです。
しかし、薬などを手に塗ることはしません。

なぜならば、子供がひっきりなしに奥さんの指をなめたり、噛んだりするからです。
もし薬などを塗った指を子供がなめてしまったら大変なので、我慢しているそうです。

私の知らない日常的な生活の中でこんな風に、愛情ゆえに苦労することがある事を知りました。

ラジオを聴いていましたら、リスナーからのメールが読まれていました。
本日、中学生の妹が卒業式だったそうです。
今までお世話になった先生へお礼の手紙を渡そうと、徹夜で書いていたそうです。
卒業式で倒れたりしないかと心配だと云う内容でした。

お姉さんの優しさ、妹さんの純粋さ等、姉妹の性格の良さが簡潔に分かった内容でした。

私の知らない日常的な生活の中でこんな風に、人の優しさを感じることが出来ました。

会社の後輩が今週末、駅伝に出るそうです。
3人一組で走るのですが、彼は年齢が30代。
普段からジムで鍛えているので、彼は見事な成績を収めることでしょう。
他に一緒に大会に出るのは還暦前の人、そして62歳の人。
どちらも年配だけれど、同じジムでがんばっている人達だそうで、日頃の鍛錬の成果を試してみたいのだそうです。
後輩にはとにかく、怪我をしないで楽しんで来いと伝えました。
「記録より記憶」
この寒い中での大会ですが、きっと彼にとって思い出に残る一日でしょう。
それは、自分自身の走りだけではなく、一緒に大会に出る年配の方々の走りから、色々なものを得ることが出来ると思うからです。

私の知らない日常的な生活の中でこんな風に、どんなに年を重ねようが老いることなく、日々精進している人がいることを知りました。

生まれたての子が育ち、学校へ入学。
いつしか卒業して社会へ。
定年を迎えた後も、自分を鍛錬。

今日一日だけで、生命の誕生から年老いるまでの生き方を聞くことが出来ました。

私の知らない日常生活。
けれど感じるところが多々ありました。
それは私と同じ目線の内容だったからでしょう。

特殊な世界(業界)の特殊な事を聞かされても、私には今ひとつピンと来ません。
昔ならば、憧れの対象として感激のひとつもしたでしょうが、今は特に何も思いません。

その人がそれによって生きがいや、人生経験を増やした話しならば、素直に感激します。
もっと話しを聞きたいぐらいです。
けれど、ただの自慢話ならば聞きたくありません。

それよりも、冒頭で書いたような事の方が、私にはとても色々と考えさせられます。
私は自分の生き方に疑問を持ち、自分の中は空っぽなのではないかと思っているこの頃。
それは、メディアの中から情報を汲み取って吸収していただけの人生だったからです。

だからこそ、同じ視線の生き方、日常的な出来事に興味がいきます。

案外ですね、テレビや本・新聞なんかより、普通の人の普通の話しの方が面白いものなんですよ。
それを聞くことによって、自分自身の生き方を満たす為のヒントが隠されているからだと思います。

明日からも、そんなヒントを探していこうと思っています。

Posted by kanzaki at 2007年03月14日 23:50