本日の日経プラス1に、「断り上手の決めゼリフ」という記事がありました。
何かを断る場面において、柔らかく丁寧な印象を与える「クッションワード」についての解説です。
例えば、退社しかけた時に上司から残業要請があったとします。
けれど今晩は、友人と飲む約束をしています。
さあ、あなたならその時、どうやって上司に断りの言葉を切り出しますか?
まず、「申し訳ありませんが・・・」と丁寧に切り出しましょう。
これが、「クッションワード」です。
この言葉で切り出した後、その日の自分の予定を説明し、最後に「申し訳ありません」とお詫びの言葉を繰り返すのです。
この「申し訳ありませんが」は、「恐れ入りますが」と並ぶクッションワードの代表です。
断る場面だけでなく、お願いするとき等、どんな状況でも万能なスーパーワードなのです。
まずは、この言葉を覚えてフル活用してみましょう。
また、最後に「今日はどうしても難しいのですが、次は」と付け加えたりすると、云われた相手は「そうか、突然云い出したこっちも悪かった」と云う気持ちにさせる効用もあるとか。
残業依頼よりも困るのが、飲み会等の好意からの誘いを断る場面です。
こんな時は「せっかくなのですが」「残念ですが」「恐縮ですが」と云った言葉を散りばめると効果的です。
そして最後に「また声をかけていただけますか?」と締めくくれば、次に誘ってもらえる確率も高まります。
こういった言葉を自然に口に出せるようになるには、意識して繰り返し使うしかありません。
例えば、電話をする際、視界にクッションワードを貼っておき、繰り返してその言葉を電話の会話の中で使ってみてはいかがでしょうか。
クッションワードの根底は、相手への思いやりや敬意です。
このことを理解すると言葉を使う意味も分かって、積極的に使う気になれると思います。
そして、言葉だけの丁寧さではかえって相手に失礼になるので、話す際にうつむいたり、目が泳いだりすることの無いように注意してください。
ここで整理しておきましょう。
●万能なクッションワード:
「恐れ入りますが」「申し訳ございませんが」「恐縮ですが」
・・・謝る、反対する時、どんな場面でも使える。
●誘いを断るときは:
「残念ですが」「せっかくですが」「勝手ですが」
・・・これらが威力を発揮。「ごめんなさい」と謝ると相手に気まずい思いをさせることも。
また、「お誘いいただきありがとうございます」「またお誘いいただけますか」も有効。
●会議で反論するときは:
まずは「おっしゃることはごもっともだと思います」と相手を肯定してから「私はこのように考えてみましたが、いかがでしょうか」と繋げる。
頭ごなしに「それは違う」と云うと角が立つ。
●尋ねるときは:
作業を中断させることになるので「お忙しいところ申し訳ありませんが」「お手を煩わせ恐縮ですが」「お差支えなければ少々おたずねしたいのですが」から始める。
こういう、相手に思いやり、気配りが伝わる言葉遣いをしていると、みんなから一目を置かれることでしょうね。
そして、そういう言葉を当たり前に使える頃には、自分自身の心にも素敵な変化があらわれていることでしょう。
今の世の中は、成果主義に基づいた競争社会。
その為、自分の主義主張が第一優先となり、相手に対してストレートに「NO!」と叫ぶのも当たり前になっています。
不思議なもので、これがカッコいいと思っていきがっていると、必ず痛いしっぺ返しがあるものです。
日本には昔から「出た杭は打たれる」なんて言葉があるものです。
いきがっている人は大抵、「出た杭は打たれるが、出過ぎた杭は打たれない」と反論することでしょう。
でもね、この日本では「出過ぎた杭は抜かれる」のです。
左遷、降格、リストラ・・・色んな形で現れてきます。
自分自身にとても凄い才能があり、それに対して自信を持つのは良いと思いますが、相手(若しくは、ユーザー、顧客等)を下に見てはいけません。
相手を凡人だとか、普通の人間だとか見下す人がいますが、その才能を評価し、対価を与えてくれるのは、その見下した相手なのです。
テレビや雑誌等でもてはやされている有名人。
目立つ言動・行動をする人の場合、マスコミから持ち上げられるだけ持ち上げ、そして最後に悪い事を取り上げられてバッシングの嵐。
その後、世間から消え去っていく・・・そんな人達が沢山いましたよね。
最近だと、「想定の範囲内」のライブドア・ホリエモン、「もの云う株主」村上ファンド・村上世彰でしょうか。
やはり、言葉遣いと云うのは大事なんだなあと社会人になって思いました。
人間関係を損なわない言葉遣いと云うのは、仕事の才能以上に必要なスキルかもしれません。
人間関係で仕事は成り立つし、人間関係で身を滅ぼすこともある。
人と人の間のクッションになってくれるものは、目に見えるモノではなく、多くは言葉であったりします。
文章ならば、書いた後に読み返してみて、幾らでも修正は可能です。
勢いで書いてしまった文章も、後で冷静になってから、相手の立場を考えて加筆修正ができます。
しかし言葉はそうはいきません。
伝える相手は目の前(もしくは、電話の向こう)にいます。
発した言葉は、消しゴムで消すことは出来ません。
まさにライブ(生中継)。
いろんな事を考えている間に時間は経過しますし、相手の感情も変化していきます。
相手は待ってはくれません。
うまい言葉の一つでも云ってやろうと思っても、そうそう云えるものでもありません。
だからこそ、万能ツールであるクッションワードを頭に焼き付けて置く事が重要なのです。
短いセンテンスであるクッションワード。
これによって、複雑な社会の人間関係から自分の身を守ってくれるのです。
来週月曜の出社から、このクッションワードを使ってみてください。
あなたを好意的に見てくれる人達が増えてくるはずですよ。
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