2007年08月22日

ハイスペックからフィットスペックへ

新OSである「Windows Vista」、売れてないねえ。
新ゲーム機である「Playstation3」、売れてないねえ。
新放送方式である「地上デジタル放送」関連の機器、売れてないねえ。


マイクロソフトは、「Windows XP」の正規OEMライセンスの提供を2008年1月31日に終了するそうです。
これに伴い、PCメーカー各社からのWindows XP搭載PCの生産も同日をもって終了。
かなり強硬な形で、新OSを広めようとしていますね。
元々そういうスケジュールだったらしいけれど、これだけVistaが不評で、ヘビーユーザーからも法人からも評価されていないOSも珍しいですね。
これは「Windows Me」の再来でしょうか。
特にメモリの大食いは、なんとかならんもんですかねえ。

先月、「Windows7」と言う新しいWindowsのコードネームと発売時期が発表になりました。
3年以内に出荷する計画だそうですが、果たしてどんな姿で我々の前に現れるやら。
私としましては「Windows7」には、「Windows XP」のService Pack 3のポジションでリリースして欲しいです。
Vistaは黒歴史の方向で。
ハイスペックなハードを要求するOSなんて欲しくありません。
影の功労者的立場である、本来のOSのあるべき姿に戻って欲しいと思っています。

OSもそうですが、ハードウェアもこれ以上の性能は必要ないなあ。
今、私が使っているマシンは、物凄く平凡(あるいはそれ以下)なスペックです。
しかし、特に困ってはいません。
ハイスペックなマシンを使いたい人も当然いることでしょう。
趣味としてではなく、仕事でそれだけの性能を要求する人もいます。
そういう人は、常に最先端を追ってください。
私は周回遅れで、その後姿を眺めていますから。


鳴り物入りで登場した「Playstation3」も、値段の高さとソフトの少なさで売れていません。
更にリリースされたソフトも、「これぞ次世代!」と呼べるものでもなく、プレステ2のソフトをグラフィックだけ1.5割り増しにしましたと言う程度。
食指が動くほどのものではありませんでした。
スペック向上を掲げている間に、任天堂が違う方向(インプットデバイスの工夫、ライトユーザーやゲームに無関心層の取り込み)で追い上げ・追い越してしまいました。


「地上デジタル放送」関連のAV機器も、コピー関連がネックになったか、ヘビーユーザーからそっぽを向かれ、普及に弾みがつきません。
デジタル放送のテレビ番組をDVDレコーダーに1回しか録画できないよう、特殊な信号を使って制限している「コピーワンス」について、総務省は、DVDなどに9回までのダビングを認めるよう、放送局などに要請する方針を明らかにしました。
最近、テレビ番組が話題の中心から遠ざかりつつあります。
特に、若い世代に顕著。
このまま、テレビなんて必要としない人が増えていくのではないでしょうか。
私自身、テレビを毎日見ているほど暇でもありませんし、そこまで興味がありません。
いい加減、いい歳なんですから。

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今まで、性能が右肩上がりに上昇すれば、ユーザーもそれに追いつこうと購入・消費していました。
しかし、その性能向上も、以前に比べると鈍化しています。
更に、提供する側の「思惑」「利権」等が加わり、ユーザーには恩恵の無いデメリットの方が目立ってきています。

ユーザーも賢くなりました。
そのジャンルの知識が増えただけでなく、「自分にとって、どれぐらいの性能が必要なのか?」を考えるようになりました。
それにより、必ずしも高性能なものが必要じゃない事が分かってきた人もいます。
性能よりも大きさ・軽さを重視する人もいるでしょう。
価格重視、デザイン重視、様々です。

ハイスペックからフィットスペックへ。
今の時代、新しい機器を買ったからって、生活が極端に変化する事はありません。
ましてや、買ったことによって生活が豊かになるなんて事はないと思った方が良いでしょう。
自分の今の生活に合わせた性能の機器を買うほうが賢いと、私は思います。

世の中、いろんなジャンルで、同様の流れになっていると思います。
つまり、「見直し」です。
良い物は値段が高くて仕方がないと支出し、身の丈以上のものにお金を費やしがちです。
しかしその結果、ローン地獄で家計が破綻していては呆れるばかりです。
そこで、見直しをする人が増えてきました。
身近なところでは生命保険、住宅ローン等です(詳しいことは後日、別の形で説明します)。

自分にとってのフィットスペックを模索している人が増えれば増えるほど、メーカーは経営が厳しくなるでしょう。
でも、本来の姿に戻るだけのことなのかもしれません。

自分のライフスタイルを雑誌やテレビから模倣する時代は終わったのです。

Posted by kanzaki at 2007年08月22日 23:18