2007年10月11日

無料サービスの普及〜メディアカフェ、サンプル・ラボ、プリア

ここ最近、無料サービスが広がっていると思いませんか?
以前ですと、フリーペーパー、フリーマガジンぐらいだったと思います。
フリーペーパー、フリーマガジンは、広告収入を元に制作される印刷メディアです。
この広告収入を使うことによって、印刷メディア以外にも無料サービスが広がりました。
今回は、そんな無料サービスを幾つかご紹介したいと思います。


(1)メディカフェ

メディカフェとは、コーヒーやジュースが無料で飲める自動販売機のことです。

●公式「メディカフェ」
http://www.willb.co.jp/medicafe/

飲み物を入れるカップに印刷されている広告および自動販売機の液晶モニターにCMを流し、その広告収入を飲み物の販売価格に還元します。
そして最大割引率を適用した時の価格は無料となります。

飲みたい飲み物を選んで出てくるまでの1分間、画面にCMが流れて強制的に見せられる訳です。
その代わり、広告主が飲み物代を立て替えてくれると。

現在は主に、首都圏の大学等を中心に設置されているそうです。
今後は大型商業施設などへの設置も予定されており、ファミリー層にもアピールしていくことになります。

日本の片隅にあります新潟のビジネスマンにとって、今のところ全く縁のないサービスですが、一度はその自動販売機を見てみたいものです。

強制的にCMを見せる手段としては上手いですよね。
これだけ便利になった世の中で、無理強いを顧客にさせるのは至難の業です。
下手すると、そっぽを向かれてしまいます。
その為に、ご褒美を与える方法を思いついた訳です。
そういや動画配信サイト「Gyao」も、CMを強制的に見てもらうご褒美に、色んな作品を無料で鑑賞できます。

この自動販売機は既に3万台設置されているそうです。
広告主のターゲットに合わせて、どこに設置されている自動販売機で広告を出すか決めることが可能。
広告主の商品販売ターゲットが若者だったら、大学に設置されている自動販売機でCMを流すでしょうし、ファミリー向けならば商業施設に設置された自動販売機でのCMが効果的でしょう。

Web上でも、そのユーザーの嗜好に合わせてCMの内容が変わったりするものがあります。
こういうのは、ネットの方がお得意ですよね。
それを現実世界でやってしまうのが興味深いです。

気になる広告料ですが、
10,000カップで単価80円(合計80万円)
50,000カップで単価75円(合計375円)
100,000カップで単価70円(合計700万円)
です。

我々が普通に自動販売機で買う、紙コップに入った飲み物の値段と殆ど同じですね。
つまり、購買者が支払う分を、丸々広告主が負担している訳です。
そう思うと、一人当たりの広告料としては結構高めな設定かも。

単純にカップに印刷されている広告と、液晶画面に流れるCMだけですと、アピールしたい自社製品の購買に貢献しているのか今ひとつ不安ですよね。
下手すると、飲まれ損です。

飲んだ後、自社製品の購買に繋がるもう一手が必要だと思います。
例えば、紙コップの側面に、剥がしやすいシールを貼っておき、それが割引クーポンになっていると言うのはどうでしょうか(飲み物だけに、紙コップそのものにクーポンを印刷し、それを切り取ってもらうのは難しいでしょうから)。
それを広告主のお店で見せると、商品が安くなるようにすれば、直接的な効果が分かります。
その割引クーポンの利用率が少なければ、この自動販売機での広告効果が少ないと言う事で、広告提供をやめる目安にもなります。

紙コップにシールを貼ったりすれば、それはそれで広告費の上昇になってしまうから、紙コップにQRコードを印刷するのも手かもしれません。
そのQRコードを携帯電話のカメラで読み取って、表示されたURLにアクセスすると、広告主のサイトに繋がるようにするのです。
そこで自社製品のアピールするのも良し、待受画面タイプの割引クーポンを配信するのも良しです。

今は、無料自動販売機と言う存在そのものが物珍しいから、新聞や雑誌にも取り上げられていますが、いずれは飽きられます。
飽きられた頃にも、広告主にとって有益な媒体であるには、まだまだ工夫が必要だと思います。

(2)サンプル・ラボ

サンプル・ラボとは、企業から集めた試供品を来店した会員が自由に試したり、持ち帰りの出来る場所のことです。

●公式「サンプル・ラボ」
http://samplelab.jp/

今年7月、東京の表参道にオープンしました。
利用者したい場合、入会金300円、年会費1,000円を出して会員登録します。

新発売の食品、化粧品など50〜100種類の試供品が並んでおり、1回の来店で10個まで持ち帰りできます。
商品は2週間で入れ替えられるそうなので、定期的に行くだけでも、相当数の試供品を試すことが出来ますね。
特に化粧品などは、モノが良くても、人によって肌や体質に合わないものがあるものです。
試供品で試してから商品を購入すれば、リスクが軽減できますね。

また、新アイテム等に敏感な人達にとっても、有益な情報源だと思います。
情報としてだけでなく、実際に手にとって試せるのは非常に良いです。

商品の提供をした企業にもメリットがあります。
商品を持ち帰った会員のデータやアンケートを集める事が出来るので、その商品のマーケティング戦略に応用できます。
試供品本来の役割が、十分に役立てられますね。

試供品と言いますと、食べ物や化粧品だけと考えがちですが、公式サイトを覗いてみましたところ、携帯電話の待受画面を作製するアミューズメントマシンの体験や、舞台の会員特別割引なんてのもありました。

街頭で試供品を配っている姿をよく見かけますが、そういった無作為な配布よりも、サンプル・ラボで提供した方が、利用者のデータやアンケートを入手できるので、非常に有益だと思います。
こういう広告媒体は思いもつきませんでしたよ。
今後の動向にも注目したいです。

(3)プリア

プリアとは、デジタルカメラで撮影した写真のプリントから発送までを無料で行うことが出来る写真プリントサービスのことです。

●公式「Priea(プリア) 無料写真プリントサービス」
http://priea.jp/top/

以前、「王様のブランチ」で紹介した時から、非常に気になっていましたよ。
昨年11月からスタートし、既に会員数は28万人を越えました。
無料の理由は、やはり広告です。
写真の隅に企業のロゴが入ったり、写真の下半分が広告になっていたりします。
専用サイトに画像データをアップロードすれば、一週間以内にL版サイズの写真が郵送されてきます。
利用枚数は一ヶ月30枚までです。

自宅でカラープリンタを使って写真を印刷すると、かなりインク代が高くつきます。
印刷される人達の殆どは、それを痛感しているのではないでしょうか。
それならば、カメラ屋で印刷を依頼した方が安心、確実だったりします。
プリンタのメンテナンスも必要ありませんしね。
今回のサービスは、更にそれを無料でやってくれる訳です。
一ヶ月に30枚も印刷できれば十分。
まあ、人気のあるのも頷けますね。


以上、色々と無料サービスをご紹介しました。
皆さんもどれか一つは、利用したいと思ったのではないでしょうか。

今の時代は不景気と言えども、良いもの・納得できるものには多額の出費をしても良いと考える人が多いです。
そういう人の場合、その他の部分に関しては、例えば、100円ショップで済ませられるものは、それで済ませたりします。
限られたお金ですから、振り分けを賢くしたいものです。
そういうお金の振り分けの中に、無料サービスも加味することで、我々の生活が無理なく快適になるのではないでしょうか。

Posted by kanzaki at 2007年10月11日 23:26