2008年01月21日

非現実的な儲け話に騙される人

手持ちのお金が少なくても、やりくりすれば何とか生活出来るものです。
地道に生活している時はいいのですが、ふと将来に不安を感じたり、何かしらのコンプレックスを持つと、ついつい「一攫千金」を狙いたくなるものです。
そして、その心の隙をつき、非現実的な儲け話を持ってきて、騙そうとする輩が現れます。

「100万円を預ければ3カ月ごとに9万円を支払う」等と言い、お金を集めまくったマルチの詐欺集団L&Gは記憶に新しいところ。
同社が発行する疑似通貨「円天」。
この胡散臭いシステムにも関わらず、多くの人が騙されました。

雑誌PRESIDENT(2008.2.4)にて、儲け話「三種の神器」と呼ぶ三つの仕掛けを紹介していました。

1.
まずは、既存の金融商品とどことなく似ていて、且つ分かりやすいシステムだと言う事。
現在、金融商品は複雑で分かりにくくなっています。
丁寧な説明なしでは、素人にはチンプンカンプン。
そこを逆手にとった、一見、分かりやすいのが特徴です。

2.
派手な広告塔です。
冒頭に書きましたL&G。
そこでは、多数の芸能人が宣伝に出演していました。
その知名度や親近感を利用され、巧みに消費者を信用させる道具として使われてしまったのです。

3.
そして「舞台装置」。
有名なホテルのラウンジパーティーなど、きらびやかな雰囲気に陶酔させ、信用させてしまうのです。
庶民がゆえに、そういう「セレブ感(笑)」に騙されてしまうんですね。
最近は、NPO法人を隠れ蓑にして活動するケースが増えているそうです。
実は、NPOの取得は簡単なのだそうです。
NPOといいますと、何となく善意・クリーンなイメージがありますよね。
そこに騙されてしまう。
また、会員制などの肩書きにも、つい信用してしまいます。

こういった事から騙されない方法は、「一晩おいて、冷静に考えること」です。
当たり前なのですが、実際、出来ないことが多いのです。
心のクーリング・オフをしましょう。
また、現場を見に行くのも最良。
土地の売買ならば、実際に現地へ行く。
投資の話しならば、もらった名刺の電話番号に電話したり、事務所を訪ねる。
有頂天になった気分を強制冷却してみると、相手の手口を冷静に観察できるものです。

個人だけではありません。
会社に営業訪問してくる怪しい業者にも注意です。

例えば、突然、消火器の点検・交換・詰め替えをしに来た悪徳業者には要注意です。
書類に判子を押させるや、一気に社内の消火器を入れ替えして、何十万円もの請求をしてきます。
ちなみにこの場合、警察が介入しても駄目です。
なにせ、書類に判子を押してしまったのだから。
せいぜい、値引き交渉がいいところです。
こういったケースの場合、個人は保護されるのですが、会社の場合は保護されないのです。
当社の支店や子会社でも、騙されたケースが幾つかありました。
他にも、ちょっとその業界を分かっていれば、物凄くチンケでいかがわしい提案だと分かるもの等、多数あります。

私は実体験として感じるのは、業者が提案してくる内容で、最初から完璧なものなんて一つもありませんでした。
お互いが意見を出し合って、ようやく一つにまとまる感じです。
それ故、一つの業者と長く付き合い、相互理解を深めるのが大事です。
談合とか汚職とか、そういう形になってしまっては、意味がないので注意。
私は絶対、相手の業者からモノをもらったり、接待を受けたりはしません。
はっきりと断っています。
って言うか、そんなことをしたら、その業者を切ります。
相互理解と馴れ合いは別物ですから。

個人の場合は、相手の雰囲気に飲まれないことが大事。
法人の場合は、十分な知識を蓄えておくことが大事。
これが大切なのではと思います。
世の中、うまい話しなんて、そうそうありませんよ。

給料が頭打ちになったからと言って、運用、副業、転職で活路を見出そうと思っても難しいものです。
むしろ、もう右肩上がりの成長は無いと思い、生活レベルを落としてみるのも良いと思いますよ。
生活レベルを落とすと言いますか、「身分相応」に暮らすのです。

私の場合ですが、会社への通勤を自転車通勤に切り替えたおかげで、年間7万円の経費削減になりました。
車の燃料代が高くなっているので、これはありがたいことです。

景気が悪くなると、人はついつい「ラチェット効果」によって、消費行動に走るものですが、これだって一晩冷静考えれば、実際に買わなくても済んだり、レベルを落としても良いようなものが沢山あるものです。

*ラチェット効果

景気悪化で消費マインドは低下するが、消費性向は上昇してしまうこと。景気悪化で所得が減少しても、消費者は現在の消費水準を維持しようとする。景気後退時でも短期間に生活水準を変えることは難しいため、それまでの消費行動を踏襲するケースが多くなり、貯蓄を取崩して消費水準を維持することになる。ラチェットとは歯止めのこと。景気を下支えする役割を果たす。

前回の「ウーロン茶世代」についての記事でも書きましたが、遠くにある幸せを探すより、身近な幸せをどれだけ見つけられるかが重要です。
一攫千金を狙わなくても、笑顔を作る方法はいくらでもあるはずですよ。

Posted by kanzaki at 2008年01月21日 22:09