2008年03月13日

公立高校一般入試に「全県1学区制」が導入

2008年の高校受験は、新しい試みがなされました。
公立高校普通科で初めて「全県1学区制」が導入され、公立高校一般入試が実施されたのです。

去年までは県内を8学区に分け、受験先は住所のある学区内の高校が原則でしたが、そういう壁が今回から無くなりました。
ですから中には、遠くから毎日、電車などを使って長時間通学や、学校の近くに下宿などをする学生も出てくる訳ですね。

3月7日、新潟では全日制84校、定時制9校で、約1万5700人の受験生が筆記試験に挑みました。
県内全体の平均倍率は、全日制が1.14倍、定時制が0.91倍。

大学進学実績の高い高校に志願者が集中し、競争倍率が高くなるのではないかと予想されていました。
しかし実際は、各地の難関校の倍率が下がる結果となりました。
大学進学実績県内トップの新潟県立新潟高等学校・・・通称「県高(けんたか)」は、1.11倍という低倍率でした。

かえって難関校の下に続く学校の方が倍率が高くなりました。
新潟県立新潟南高等学校・・・通称「南高(なんこう)」の高理数コースは2.47倍で、県内最高倍率でした。
ちなみに南校は、県内の高等学校の中では、一番新潟大学への進学者が多くて、昔から人気です。
更にオマケ情報として、私はこの学校を受験し、見事に不合格となりましたorz

一学区制になって、多くの人が確実に入ろうとレベルを下げたのが理由だそうですが、翌年以降は難関校の倍率が反動で高くなるようです。

ゆとり教育だの、試験方法の変更だの、実際に受験をする学生さんたちは、振り回される形となり大変ですね。
教育機関の人達にとっては毎年の恒例行事なのかもしれませんが、実際に受験する学生さんたちは、基本的に一度きりの試験ですから、未知の試験方法で精神的に不安になってしまうことでしょう。

大学受験と違い、あまり浪人をする人はおらず、公立高校の受験で不合格の場合、滑り止めの私立高校へ通うことになります。
私は公立高校の受験で不合格になった後、滑り止めで受けた新潟明訓高等学校・・・通称「明訓(めいくん)」へ進学しました。
あの水島新司の野球漫画「ドカベン」の明訓高校のモデルになった学校です。
2007年から「新潟明訓中学校」も開校されたそうで、それを知って驚きました。

明訓高校の出身者で、私の好きな俳優さんと言いますと、既に亡くなられた伊藤俊人さんを思い出します。
脚本家三谷幸喜さんの「劇団東京サンシャインボーイズ」の一員で、テレビドラマ「ショムニ」の印象が強いです。
高橋克実さん演じる人事部長の寺崎寅男といつも一緒に、ショムニ解体を目論んでいた黒縁メガネの野々村課長を演じていました。
しかし「ショムニFINAL」の撮影数日前に、クモ膜下出血のため40歳で急逝されました。
あの時は、ショックでしたよ。

高校受験は、人生で初めての分岐点となる人が多いと思います(小学校、中学校の"お受験"を除く)。
見事に合格すれば御の字ですが、不合格の場合は「人生初の挫折」を味わうことになります。

私もその、人生初の挫折を味わった人間です。
合格発表の掲示を見に行き、自分の受験番号が記載されていなかった時、ショックというより呆然としていました。
なんと言いましょうか、自分の今の状況がよく分からない感じです。
そのまま呆然と家に帰り、しばらく遊んでいなかったファミコンを押入れから引っ張り出し、テレビに繋げようとしていました。
なんでそういう行動をしたのか、今でもよく分かりません。
その時ちょうど母親が帰宅して、受験の結果を聞いてきました。
私は振り返ることなく、ファミコンのセッティングをしながら、淡々と結果を伝えました。
すると母親は何かを察したのか、私を後ろから抱きました。
私は、その行為でようやく自分の感情を素直に出す事が出来て、ずっと泣きまくりました。

自分の感情を表面に出すのが苦手だったのですが、あの時はじめて、自分の置かれている状況の辛さに泣く事を覚えました。
しかし、感情を出せるようになったお陰で、いつまでもウジウジするような事も無くなりました。
翌日には私立高校の受験対策をはじめ、一週間後ぐらいに行われた試験には、いともあっさり合格しました。

大学受験は指定校推薦で合格できたので、純粋な筆記試験での受験というのは、高校受験のみでした。
その高校受験ではじめて、自分が登ることの出来ない壁というものを体験し、違う道を使っても前へ進めることを知りました。

人間、失敗をしない方がいいに決まっています。
苦手意識が芽生えて、身体が前へ進めなくなってしまうからです。
しかし、失敗をすることで、「人の心の弱さ、やさしさ」、「世の中にはセカンドチャンスがあること」等を身をもって覚えることができます。
それもまた、長い人生を歩むため、人としての強さを鍛えるためには良い機会だとも思います。

中学三年生という時期は、大人の私から見れば、とてもか弱い存在です。
手持ちのカードも、切り札も少ないのですから。
だからこそ、親や周りの大人たちの理解や手助けが必要なんでしょうね。
高校受験に失敗した時、母子家庭で育った私にとって、母はとても大きな存在でした。
明日はホワイトデー。
母にも、日ごろの感謝のプレゼントを渡したいと思っています。

Posted by kanzaki at 2008年03月13日 21:37