2008年04月08日

ウォークマンやPSP、携帯電話に録画番組を高速転送できるソニー製ブルーレイディスクレコーダー発売

次世代記録メディアは、「ブルーレイディスク」の勝利となりました。
東芝が推し進めていた「HD DVD」に勝った理由は様々あるでしょうが、私は「名前が良かったからなんじゃないか」と、素人丸出しな考えをしています。

さて、そんなブルーレイディスクのレコーダーですが、ソニーから新機種の誕生です。

●ソニーマーケティング株式会社プレスリリース「ブルーレイディスクレコーダー2機種発売」
http://www.sony.jp/CorporateCruise/Press/200804/08-0408/

ソニーは、ブルーレイディスクレコーダーの新ラインアップとして、内蔵HDDに録画した番組を手軽に“ウォークマン”や PSP「プレイステーション・ポータブル」、携帯電話に持ち出して外出先で視聴する新しい映像の楽しみ方を提案する『BDZ-A70』と、内蔵HDDに最大166時間のハイビジョン録画が可能な『BDZ-T90』計2機種を発売します。

主な新機能
<映像を持ち出すA>『BDZ-A70』〜“ウォークマン”、PSP、携帯電話に録画番組を高速転送

内蔵HDDに録画した番組(デジタル放送を含む)を“ウォークマンNW-A820シリーズ”やPSPに転送して外に持ち出せます。たとえば朝の通勤電車の中で、深夜のニュース番組や語学番組などを視聴することができます。「おまかせチャプター」で自動的に打たれたチャプターも転送されるので、見たいシーンを素早く探せます。転送した「1 回だけ録画可能」な番組を「おかえり転送」でブルーレイディスクレコーダーに戻せば、テレビの大画面でオリジナル画質のまま再生可能です。
なお、内蔵HDDに録画したアナログ放送番組などのコピーフリーの映像なら、“ウォークマンNW-A820シリーズ”以外の“ウォークマン”や携帯電話(NTTドコモのFOMAの一部機種)にも転送可能です。

“ウォークマン”や、PSP、携帯電話とUSB接続し、本体前面の“ワンタッチ転送ボタン”を押すだけで、レコーダーが起動して「おでかけ転送」がスタートします。たとえば60分番組なら約2分で転送を完了します。忙しい朝でも、身支度をしている間に番組を転送可能です。


自宅のリビングにある大画面モニターで番組を視聴するのも勿論良いのですが、電車やバスでの通勤時に、寝ている間に録画しておいた番組をポータブルプレーヤーで視聴するのも、大変便利なものです。

最近は、携帯電話にワンセグ放送の番組を予約録画できる機種も販売されています。
大容量のマイクロSDカード等の外部メディアへ記録できるならば、それだけで相当数の番組を保存・視聴できることになります。
しかし、ワンセグである以上、録画開始の際に電波の届かない場所にいた場合、当然、録画は失敗となります。
確実な録画を期待するには、やはり自宅にある据え置き型のレコーダーで録画をした方が無難です。

今回のソニーのブルーレイディスクレコーダーは二種類。
特に注目なのは、「BDZ-A70」の方です。
このAシリーズは、ポータブルプレーヤーとの親和性が重視されており、録画した番組を簡単にウォークマンやPSPへ転送可能です。

私もPSPを持っていますので、動画を入れて外で見る機会が多いです。
しかし、PSPで動画を見るまでの準備が大変です。
私の場合、アナログDVDレコーダーのハードディスクに録画した番組をDVD-RWへ、VRモードで記録します。
それをパソコンで読み込み、「携帯動画変換君」でモバイル用の動画へ変換し、その後、USBケーブル経由でPSPへ転送します。

●携帯向けに簡単に動画を変換してみよう(携帯動画変換君) - MobileHackerz
http://mobilehackerz.jp/contents/3GPConv

たまにやるならば、この方法でもいいのですが、日々この作業を行うのは、とても大変です。
すぐに続かなくなります。
それに、パソコンを使っての動画形式の変換なので、パソコンに不得手な人には敷居が高いです(実際にやってみると簡単なんですけれどね)。

その点、ソニーのこのレコーダーならば、煩わしい手間暇をかけずとも、簡単に視聴できます。
やはりパソコンより、家電の方が敷居が低いし、専用機ならではの安心感があります。

今回のレコーダーの細かい良い点は、チャプターを打った動画も、モバイルプレーヤーへ転送できることです。
チャプターを活用して、視聴する人も結構いると思います。
私の場合、美味しい場面だけをどんどんスキップして視聴するのに使用しています。
これをウォークマンの特定の機種だけではなく、PSPでも利用できるのはいいですね。

ところで、こういったモバイル動画視聴の敷居は低くなったものの、ネックが無い訳じゃありません。
これは、今回のこのレコーダーが原因ではなく、地上デジタル放送のコピー防止機能がネックとなっています。
このレコーダーの公式サイトを見ますと、下記のように書いてあります。

転送した「1 回だけ録画可能」な番組を「おかえり転送」でブルーレイディスクレコーダーに戻せば、テレビの大画面でオリジナル画質のまま再生可能です。
「1回だけ録画可能」なタイトルを「おでかけ転送」すると、「おかえり転送」するまでそのタイトルはHDD上では再生できません。

この「1 回だけ録画可能」な番組こそ、コピーガードのかかった番組です。
著作権にがんじがらめになっている地デジですが、手間はかかるものの、この機種ですと「おかえり転送」により、再び大画面で高画質の映像ソースを見ることが出来るのはありがたいです。

さて、ウォークマンでテレビ番組等を視聴できる訳ですが、ウォークマン単体でもワンセグ放送を録画や視聴できるものがあります。
こちらの新型も、つい最近発売となりました。

●ソニーマーケティング株式会社プレスリリース「Bluetooth機能内蔵 ビデオ再生対応 “ウォークマン Aシリーズ”発売」
http://www.sony.jp/CorporateCruise/Press/200802/08-0220B/

・【AVウォッチ新製品レビュー】Bluetooth搭載で進化した新「ウォークマン」−“自由”な録画クレードルも。ソニー「NW-A820」
http://www.watch.impress.co.jp/av/docs/20080229/np033.htm

先ほど、携帯電話でワンセグ放送を録画する際、ワンセグ放送の電波が届かないところでは録画が出来ないと書きました。
このウォークマンでは、専用のクレードルを使い、テレビやDVDレコーダー、ビデオカメラ等の機器と接続することにより、ウォークマンでリアルタイムに録画できます。
公式サイトを見ますと・・・

<別売のビデオレコーディングクレードルによる便利な録画機能>
別売のビデオレコーディングクレードル「VRC-NW10」を使って、テレビチューナーと接続すれば、テレビ番組をリアルタイムで“ウォークマン”に録画できます。また、EPG(電子番組表)を利用してテレビ側からタイマー予約ができる「シンクロ録画」機能に対応し、タイマー録画も可能です。さらに、“ハンディカム”で撮影した映像やHDD 搭載レコーダーにとりためた映像も、パソコンを使わずダイレクトに “ウォークマン”に録画できます。

という事で、なかなかこれも録画という部分で遊べそうです。

ブルーレイディスクレコーダーでの録画、ウォークマンでの録画と来れば、次はPSPでの録画でしょう。
実は新型のPSPは、ワンセグチューナーを使って予約録画が可能です。
専用機に比べると機能は貧弱ですが、無いよりはあった方がいい。
そして、PSPと来れば、次はプレイステーション3でしょう。
日本国内は無理ですが、海外ですと、プレステ3でテレビ番組の録画が出来るようです。

●SCEE、PS3のHDDにデジタル放送を録画する「PlayTV」を発表
−1080p対応のWチューナユニットを接続。PSP視聴も可能
http://www.watch.impress.co.jp/av/docs/20070823/scee.htm

上記は発表だけで、正式なリリースではないのですが、実際にリリースされたんでしょうかね?
記事を見ますと、かなり優秀です。
日本での対応も期待したいですね。

さて、ブルーレイディスクに敗北したHD DVDですが、ここにきて問題が発生しています。

●東芝の「HD DVD」事業終了 ディスクの供給が課題
http://japan.cnet.com/news/tech/story/0,2000056025,20370704,00.htm

東芝の「HD DVD」事業が3月末で終了した。機器の販売を続けてきた大手量販店、ビックカメラでも在庫はすでに完売したという。だが、録画可能なレコーダーやパソコン用ドライブで使用する記録用光ディスクの供給継続について、メーカーとの協議が終わっておらず、協議が長引けば一時的な供給不足なども懸念される。

レコーダーを購入した人達は、メディアが無ければ継続的な使用が不可能になるので、これ困りますね。

地上デジタル放送が始まる前は、パソコンを使ってアナログ放送を受信・録画をして、編集したり、メディアへ記録する人が大変多かったです。
パソコンならではの、編集のしやすさは有難いですからね。
私もパソコンで3年ほど、テレビを見たり録画していた時期がありました。

しかし地上デジタル放送の著作権がんじがらめにより、パソコン用(特に自作)の地デジチューナーは皆無でした。
ここにきて放送業界は、パソコンに外付けするタイプの地上/BS/CSデジタルチューナーの単体発売を解禁する方針を固めました。

●PC向け地デジチューナーの単体販売、4月上旬にも解禁・売れ筋モデルは1万9800円に
http://pc.nikkeibp.co.jp/article/NPC/20080326/297188/?P=1

放送業界は、パソコンに外付けするタイプの地上/BS/CSデジタルチューナーの単体発売を解禁する方針を固めた。早ければ、2008年4月上旬に開催する放送業界関係者の会合で正式決定する。ビーエス・コンディショナルアクセスシステムズ(B-CAS社)によるB-CASカードの発行を経て、早ければ4月下旬〜5月に、大手パソコン周辺機器メーカーなどから単体外付けチューナーが量産出荷される見通し。
パソコン周辺機器メーカー各社は、PCIボードやUSB接続型など、複数の外付け地デジチューナーの出荷を準備しており、テレビ機能のない既存パソコンで、2万円前後の価格で地デジの視聴や録画、Blu-ray DiscやDVDへの書き出しなどが可能になる。


これは嬉しいですねえ。
少しずつ、動画ヘビーユーザーも歓迎できる環境に近づきつつあります。
「パソコンで動画編集をやっている人=違法なコピーをする人」だと思っていませんか?
そんな事はありません。
それに、こういったヘビーユーザーの人の方が、販売されているDVDソフトを大量に購入してくれているのです。
そういった人達に嫌われていた地デジの仕様。
「ダビング10」等、少しずつ規制が緩やかになっています。
最終的には、コピーフリーな環境にしてもらいたいのですけれどね。

Posted by kanzaki at 2008年04月08日 23:36