2008年04月11日

私も「名ばかり管理職」ではありますが・・・

最近、「名ばかり管理職」という言葉をよく耳にします。
「名ばかり管理職」とは、十分な権限も報酬も得ていないのに管理職扱いされ、残業代を支給されない従業員を指すそうです。
休憩や残業、休日出勤を無給で強制する為に、わざと従業員を管理職へ登用するケースも珍しくはありません。

人件費の軽減の為、管理職という立場を都合よく使われる社会。
マクドナルドの店長は管理職かどうかが裁判で争われたり、「名ばかり管理職」という言葉が、今年の流行語大賞にエントリーしそうな勢いだったりと、いろいろと注目されています。

先日、NHKでも特集を組んでいました。
私は録画はしたものの、まだ見ていないのですが、社会の実態をリアルに描いているようです。

●NHKスペシャル|名ばかり管理職
http://www.nhk.or.jp/special/onair/080331.html

最近ですと、紳士服チェーンの青山商事が、これまで残業代を払ってこなかった全国750店の店長と 本社課長ら「名ばかり管理職」に対し、残業代や休日出勤手当などを4月から支給すると発表しました。
東京地裁が1月、日本マクドナルドに対し「店長に残業代を払わないのは違法」とする判決を言い渡したのをきっかけに小売り・外食業の一部で店長待遇を見直す動きが出始めています。

そもそも「管理職」とは本来、どういった人達なのでしょう?
そして、どんな権限をもっているのか。
東京労働局のサイトで調べてみました。

●いわゆる管理職に関する実態調査
http://www.roudoukyoku.go.jp/wnew/kanrisyoku.htm

「管理職」とは、「役職に就いていることをもって時間外労働等の割増賃金の支給対象とならない労働者」と定義しています。
拡大解釈すれば、「管理職になったら、残業代は支払いません」と言うことでしょうか(泣)

いろいろな調査結果が記載されているのですが、一番面白かったのは、「(3)人事権を有する職制イ修梁召了項」の項目です。
管理職になると出来る特権について書かれています。


ア その他の人事・予算における管理職と非管理職との権限の違いに関する特記事項
● 「管理職」は伝票の最終検印が押せる。
● 法人カードにより出張費を支払うことができる。
● 人事考課・経費の支払の決裁ルートになっている。
● 採用時の面接官になる。

イ その他の管理職と非管理職との権限の違い
● 個人の業務内容だけでなく、所属部門全体に対する責任を問われる
● 部下の有給休暇の承認権限がある 
● 外資系で一般労働者の人事・賃金査定は国内だが「管理職」の査定は本国で行なう。 
● 対外呼称を使用できる(社内での正式呼称はなくとも名刺に「課長補佐」等の肩書きを付けることが許可される)
● 椅子に肘掛けがつく


いや〜、これを見てみますと、どれ一つ私は該当しませんorz
私は本当に「名ばかり管理職」のようです。
せめて、肘掛けの付いた椅子は欲しかったですねえ。

会社内でも残業時間はトップクラス。
仕事は増えても、他の人が引き継いだり減ることはない。
どんどん溜まっていく一方です。

私は、頭に角も付いていませんし、色も赤くありませんので、通常の3倍のスピードで仕事をする事が出来ません。
いつか限界が来るかもしれません。
まあ、そういった環境改善は、お役所の権力が発動されるのを待てばいいので、それは良しとしましょう。

そんな事より、管理職として本人に資質があるのかどうかの方が問題です。
私自身、部下を指導するというタイプの人間ではありません。
基本的に、職人タイプですから。
自分がやっている仕事は、会社内でも特殊な事をしています。
おかげで、社内の人間との共同作業よりも、外部の業者との共同作業の方が多いです。
また、部下と言いましても、全員女性ですので、男のように指導するのは難しい。
私自身、彼女達の能力を引き出すような力もありません。
だから、上司みたいな振る舞いをすることはありません。
幸い皆さん、非常に良い人達でして、私がこんな人間だから逆に、私をさりげなくフォローをしてくれていまして、大変助かっています。
私が日常業務を何とかこなせているのも、彼女達及び上司の皆さんのおかげです。
なんだかんだで、良い会社に入れて良かったと思います。

こんな感じですので、「私はこういうキャラなんだ。こんな管理職がいたっていいじゃん」と開きなおっていました。
けれど最近・・・ほんのちょっとではありますが、彼女達の個々の能力に気づき始めました。
例えば、単純作業だけれど、それを物凄い速さと正確さで業務をこなせる人がいます。
私には出来ない能力です。
途中で、イライラしてミスをしてしまいますから。

またある人は、文章作成能力が非常に高い。
私は最近、社内規定の策定に着手しているのですが、規定集を作るのは非常に難しいです。
言い回しを統一して分かりやすくしなければいけませんし、各条文の繋がりに矛盾があってはいけません。
また、社外の方へお手紙を書く際、相手の心を逆なでせず、尚且つ、こちらの言い分を理解してもらうのも、非常に気を使います。
そんな文章を自分で作成しても、本当にそれが正しいのかどうか、自分自身では客観的に見ることができません。
そんな時に上司ではなく、彼女達に見てもらうと、的確な回答が返ってきます。
下手に専門知識で理論武装せず、素直にその文章を客観的に見るからこそ、いろんな間違いや改良点を指摘できるのでしょう。
上司達は気づかなかった根本的な矛盾を指摘してくれた時は、本当に凄いと思いましたよ。

本来、管理職である私が、彼女達のフォローをしてやらなければいけないのですが、逆にフォローをしてもらっている毎日です。
しかしそんな中から、彼女達の個性に気づき、実際に私一人では出来なかった事を手伝ってもらい、着々と実現化されているのです。

組織と言いますと、「統一」という言葉が強調されるものです。
「能力の統一」「考えの統一」「賃金の統一(同じ役職の場合)」など。
しかし、「個性」が寄せ集まって、過去には無かった「オリジナル」を作り出せるのも、実は組織という形態だからこそです。
前者と後者、同じ組織という、複数の人間の集まりではありますが、なにかが違います。
どっちが優れているとかは分かりませんが、私は後者である「個性の集まり」が好きですね。
そっちの方が、お互いの化学反応が面白いですから。

私は管理職という立場が苦手ではありますが、みんなが笑って集まり、個性豊かに自分の能力を駆使しして仕事ができるように、改善・維持していきたいものです。

Posted by kanzaki at 2008年04月11日 23:49