2008年04月23日

私の「三種の神器」

図書館から、「会社で人生をムダにしない85の方法」という本を借りてきました。
この翻訳書籍の原題は、「Simplify Your Work Life」と言います。
原題の方が、優しい印象のタイトルですね。

この本は、シンプルライフというものを主に仕事の面から書いたものです。
そして、「収入に見合った生活をしなさい」と言うのが主題となっています。

大量の消費をするために、長時間労働で稼いだり、ローンを組むのは危険です。

長時間労働は、心と体を壊します。
「名ばかり管理職」や過労死にも繋がる危険な行為です。
それに、収穫逓減(しゅうかくていげん)の法則により、ある時点を超えると労働が増大しても、その割りに収益が伸びなくなる壁にぶつかります。

アメリカ人の多くがローンを抱えていますが、サブプライムローン問題という難題に直面しています。
そもそも、借金漬けの大量消費なんていうのは今の時代、「スイーツ(笑)」と同じぐらい嘲笑の対象となっています。

手取りの収入をしっかりと把握し、その中で日常の生活費、老後の蓄えや資産運用を行えば、周りにいる人達と同じような収入でも、億万長者になれるというお話しです。

仕事の方法でも、根を詰めるより、一度リフレッシュしたり、自分の仕事が増えて過酷になるような事に対しては丁寧に断るのも大事とあります。
日本人の性格からして、断らない事が美徳とされているように思えますが、そんな事で自分を苦しめてはいけないのです。
受けたからと言って、大した評価になっていないのが現実です。
モノを大量消費していた人が、会社に消費されるという皮肉が生まれるのです。

シンプルに生きるには、環境を作っていかなければいけません。
相手の土俵で戦うより、自分が熟知した所で戦うのが一番能力を発揮しやすい。
そういう環境づくりの方法なども書いてありました。
「自分はこういう性格なんです」、「こういう事は断ります」、「こういう時はこうします」、周りに周知しておく事で予防線をはるのも、土俵作りの一環です。

私はプライベートな生活の中では、かなり以前からシンプルライフを実践しているつもりです。
最初は、スローライフを目指していたのですが、どうも「年寄りの生活」にしか感じられず、勢いが感じられませんでした。
シンプルライフは、自分に不要な部分は切っていき、本当に必要な事へ集中して頑張れるような勢いがありました。

私が実践している、シンプルライフらしい事を幾つか振り返ってみたいと思います。

・自転車の利用:
通勤にはじまり、大抵の場所ならば、自転車で移動しています。
お金がかからないのも嬉しいのですが、それよりも、自分の生活圏内というものを把握できた事が良かったです。
割かし自分の住んでいる場所の立地条件が良いので、それほど遠くへ出かける必要がなかったのです。
自動車を使わずとも、自分が必要とする場所へは行けました。
雨の日は困りますが、徒歩や公共機関の利用で何とかなるものです。
そして、ロードバイクを運転するようになり、新たな楽しみとチャレンジが生まれましたよ。

ニュースを読みますと、最近は若い人達の「自動車離れ」が進んでいるそうです。
自動車にステータスを求めなくなっているのです。
都心ならば、公共機関でなんとでもなりますものね。
駐車料金やガソリンも高く、保険・税金・整備料もかかります。
自分が運転する距離に見合うものならば良いのですが、そうでない人も多い。
私なんか、その典型的な人間です。
次の車検時、車検・整備費用の金額によっては手放すつもりでいます。

昔は、「所有すること」に趣きが置かれていたのですが、最近は「利用すること」が重視される世の中になっているように感じます。
必要なときだけ利用し、普段は所有しないのです。
所有することによる管理の手間隙、ストレスから開放されます。
レンタル等は、所有するよりも時間単価が高いかもしれませんが、必要な時だけの利用ですので、トータルでは勝つのです。

「所有する」よりも「利用すること」に注目が注がれるようになったものに、身近なものだと「プリンタ」があります。
家族の写真を自宅のプリンタで印刷しようとすると、一枚あたりの単価はかなり高いのです。
写真屋でプリントした方が、業務用のプリンタでの出力なので品質は高いし、維持費は不要。
まとめて印刷をネット経由で依頼すれば、下手すると自宅でのプリントよりも安いのです。
実際、周りの人達の多くは、デジカメで撮影しても、写真屋で印刷する割合が高くなっています。


・捨てた:
とにかく、所有していたものの多くを捨てました。
捨てるのは、時間と根気と勢いが必要です。
けれど、その成果はありました。
所有するものが殆どありません。
管理するストレスが無くなり、無ければ無いでなんとかなる事が分かりました。
無駄遣いもしなくなって良かったです。
先ほど、「所有すること」と「利用すること」について書きましたが、私の場合、パソコン一台で色んな事に使えるおかげで、余計な所有を回避できているように思えます。
パソコンとインターネットは、「利用すること」を重視した世の中に、とてもマッチしたアイテムです。


・図書館の利用:
知識欲が減ったわけではないので、読みたいものは図書館を利用しています。
最近、近くに最新型の巨大な図書館が出来たおかげで、読む本に困りません。
インターネット経由で本の予約も出来るので、図書館へ行き、受付で受け取ってすぐに帰宅することも可能です(平日に便利)。
借りた後、2週間で読みきれない場合は、インターネット経由で更に2週間の延長も可能です。
一ヶ月近くあれば、大抵の本は利用しきることが可能です。


他にもありますが、今回はここまでにします。
自転車・パソコン(インターネット)・図書館が、私の中の三種の神器となっています。
年を重ねて肥大するのでなく、シンプルな方向へ進んでいるのは、自分の中で満足をしています。

Posted by kanzaki at 2008年04月23日 21:03